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穢土
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えど
ふりがな文庫
“
穢土
(
えど
)” の例文
死者は知ることあるか、われ得てこれを知らず。死者は知ることなきか、われ得てこれを知らず。塊然の形、化して
穢土
(
えど
)
となる。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
われらも
穢土
(
えど
)
の衆苦を去って、
常寂光
(
じょうじゃっこう
)
の中に
住
(
じゅう
)
そうには伊勢物語をそのままの恋をするよりほかはあるまい。何と
御身
(
おみ
)
もそうは思われぬか。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
穢土
(
えど
)
を嫌い、浄土を願い、悪心を捨て、善心を発心し給う心さえあれば、三世の諸仏も必ずやお喜びのことと思います。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「この
穢土
(
えど
)
濁世
(
だくせい
)
にこんな人達が、こんな人間生活が、そして、こんな地域があつたのか? いや、あり得たのか?」
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
この一節は、特に現世生活を
穢土
(
えど
)
と罵り、途中の階段をヌキにして、一足飛びに極楽浄土にでも行こうとあせる夢遊病患者に対して、絶好の
戒飭
(
かいちょく
)
である。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
▼ もっと見る
「ああ、ああ、
穢土
(
えど
)
という処ほどくやしい処はないワイ。関白殿の御殿だとやらで、おれ達はお談義が聞かれないのだ。極楽へ行ったらこんな差別はなかろう」
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
聖光院の
土墻
(
つちがき
)
は、万野の眼に鉄壁のように見えた。
穢土
(
えど
)
の闇と浄界の闇とを
厳
(
いか
)
めしく境しているのだった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
現世は
穢土
(
えど
)
であり、人情のまことは煩悩と見たから、聴衆の方は、子供を蹴とばすといった少々感情を
虐
(
しいた
)
げたような、芝居がかりのことをする人間にえらさを感じたし、伝説の方も
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
譎詐奸曲
(
きっさかんきょく
)
の横行する俗の俗たる
穢土
(
えど
)
となった。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかしそう云う
微妙音
(
びみょうおん
)
はアメリカ文明の渡来と共に、永久に
穢土
(
えど
)
をあとにしてしまった。今も四人の
所化
(
しょけ
)
は勿論、
近眼鏡
(
きんがんきょう
)
をかけた住職は国定教科書を
諳誦
(
あんしょう
)
するように
提婆品
(
だいばぼん
)
か何かを読み上げている。
文章
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
なにもそう久しく
穢土
(
えど
)
にいなければならないという筈のものではないのに、彼の阿闍梨ははるか後の世に仏のお出ましを待って現在に救わる道あるを知らずに池に棲み給うとは、おいたわしいことじゃ
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“穢土”の意味
《名詞》
(仏教)煩悩の多い世。凡夫の住むこの世。現世。娑婆。
(中世、僧侶間の隠語)糞、大便の異称。
(出典:Wiktionary)
穢
漢検1級
部首:⽲
18画
土
常用漢字
小1
部首:⼟
3画
“穢土”で始まる語句
穢土俗界
穢土厭離