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いつぱく
聞けば
之から
越前へ
行つて、
派は
違ふが
永平寺に
訪ねるものがある、
但し
敦賀に
一泊とのこと。
然し
家屋の
兩翼は
少しく
傾きながら、
潰れずに
殘つてゐたので、これを
檢査して
見ると、
餘震には
安全であらうと
想像されたから、
山崎博士を
初め
一行四人は
其家の
樓上に
一泊した。
昨夜雇つた
腕車が二
臺、
雪の
門を
叩いたので、
主從は、
朝餉の
支度も
匇々に、
身ごしらへして、
戸外に
出ると、
東雲の
色とも
分かず
黄昏の
空とも
見えず、
溟々濛々として、
天地唯一白。