“あきや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
空家62.6%
空屋21.7%
明家10.4%
秋谷2.6%
明屋1.7%
空楼0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空家あきやへ残して来た、黒と灰色とのまだらの毛並が、老人としよりのゴマシオ頭のように小汚こぎたならしくなってしまっていた、老猫おいねこのことがうかんだ。
遠藤(岩野)清子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
……かはあたり大溝おほどぶで、どろたかく、みづほそい。あまつさへ、棒切ぼうぎれたけかはなどが、ぐしや/\とつかへて、空屋あきやまへ殊更ことさらながれよどむ。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
浅草駒形こまかたに小さいうちだが明家あきやがありましたかられを借受け、造作をして袋物屋の見世を出しました。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
修業中の小次郎法師が、諸国一見の途次みちすがら、相州三崎まわりをして、秋谷あきやの海岸を通った時の事である。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さういふ青葉あをば村落むらから村落むらをんな飴屋あめや太皷たいこたゝいてあるいた。明屋あきやばかりの村落むらあめらねばをんなはしからはしうたうてあるく。勘次かんじうたうたのはをんなうたである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
発狂したようにわめきつづけるのである。死際しにぎわの頼みだ、待ってやれと、将の一人が云った。露八は、幕兵の手を振りほどいて、以前まえ空楼あきやの内へ駈けもどった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)