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髪結床
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かみゆいどこ
ふりがな文庫
“
髪結床
(
かみゆいどこ
)” の例文
旧字:
髮結床
平次が仲間に
奉加帳
(
ほうがちょう
)
を廻して足を洗わせ、田圃の
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の株を買って、妹のお
粂
(
くめ
)
と二人でささやかに世帯を持っていたのでした。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
すでに
髪結床
(
かみゆいどこ
)
である以上は、御客の権利として、余は鏡に向わなければならん。しかし余はさっきからこの権利を放棄したく考えている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
当時の
髪結床
(
かみゆいどこ
)
は、今のように
小
(
こ
)
ざっぱりしたものではなく、特にこういう源空寺門前といったような場末では、そりゃ、じじむさいものでした。
幕末維新懐古談:05 その頃の床屋と湯屋のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
と、町奉行与力同心は云うに及ばず、
髪結床
(
かみゆいどこ
)
に集る町人たちに至るまで、不可解なる怪人物に対する疑問に悩みあった。
くろがね天狗
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
初夏の夕暮私は四谷通の
髪結床
(
かみゆいどこ
)
へ行った
帰途
(
かえりみち
)
または買物にでも出た時、
法蔵寺横町
(
ほうぞうじよこちょう
)
だとかあるいは
西念寺横町
(
さいねんじよこちょう
)
だとか呼ばれた寺の多い横町へ曲って
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
丁度其の頃
湯島
(
ゆしま
)
切通
(
きりどお
)
しに
鋏鍛冶
(
はさみかじ
)
金重
(
かねしげ
)
と云う名人がございました。只今は
刈込
(
かりこみ
)
になりましたが、まだ
髷
(
まげ
)
の有る時分には
髪結床
(
かみゆいどこ
)
で使う大きな鋏でございます。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
片腕のない
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の亭主は手短かにこの場の仔細を物語ると、道庵は感心したような
面
(
かお
)
をして聞いていましたが
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いいえ、別に好きという程でもなく、いわゆる
髪結床
(
かみゆいどこ
)
将棋のお仲間ですがね」と、半七老人は笑った。
半七捕物帳:67 薄雲の碁盤
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのとき私は同行少年の名を借りて
三輪光五郎
(
みわみつごろう
)
(今日は府下目黒のビール会社に居る)と
名乗
(
なのっ
)
て居たが、
一寸
(
ちょいと
)
上陸して
髪結床
(
かみゆいどこ
)
に
行
(
いっ
)
た所が、床の
親仁
(
おやじ
)
が
喋々
(
ちょうちょう
)
述べて居る
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
(これが私の西洋の小説を読んだ初めで。)であるから貸本屋の常得意の隠居さんや
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の職人や世間普通の小説読者よりは広く読んでいたし、幾分かは眼も肥えていた。
明治の文学の開拓者:――坪内逍遥――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
すると
頭
(
かしら
)
の隣にいた
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の親方が、さすがにおかしいと思ったか、平吉の肩へ手をかけて、「旦那、旦那…もし…旦那…旦那」と呼んで見たが、やはり何とも返事がない。
ひょっとこ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
月番
(
つきばん
)
の
南町奉行所
(
みなみまちぶぎょうしょ
)
でも躍気となって、
隠密廻
(
おんみつまわり
)
、
常廻
(
じょうまわり
)
はもとよりのこと、
目明
(
めあか
)
し、
下
(
した
)
ッ
引
(
ぴき
)
を駆りもよおし、
髪結床
(
かみゆいどこ
)
、風呂屋、芝居小屋、
人集
(
ひとよ
)
り場、盛り場に抜目なく入り込ませ
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
町角の
髪結床
(
かみゆいどこ
)
で、ひげを
剃
(
そ
)
らせていた旅人ていの男がふと、往来を行く彼を見ていた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
髪結床
(
かみゆいどこ
)
」から来たかと思われる。その「床」がわからない。
言葉の不思議
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
三日も
髯
(
ひげ
)
をあたらないと山賊みたいになるから、自分の剃刀だけは人に使わせないように、町内の
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の親方に
磨
(
と
)
がせて、大切にしまい込んであるのさ
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
下駄の歯が
鐙
(
あぶみ
)
にはさまる。先生はたいへん困っていると、正門前の
喜多床
(
きたどこ
)
という
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の職人がおおぜい出てきて、おもしろがって笑っていたそうである。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
または辻番附と唱えて市内の辻々や湯屋
髪結床
(
かみゆいどこ
)
などへ広告用に懸けて置くだけのことで、芝居見物に行った場合には、別にかの絵本をうけ取ることになっていた。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
助「御免なさいまし、/\、/\、
此処
(
こちら
)
が
髪結床
(
かみゆいどこ
)
かね」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いつにもなく羽織を引っかけた平次、それから下谷一円を廻って
髪結床
(
かみゆいどこ
)
、湯屋、町医者と、根気よく訪ねました。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
阿爺
(
おとっ
)
さん。今日ね、久しぶりに
髪結床
(
かみゆいどこ
)
へ行って、頭を刈って来ました」と右の手で黒いところを
撫
(
な
)
で廻す。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
気がついて見返ると、それは此の堤下に
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の店を出している甚五郎という男であった。
半七捕物帳:43 柳原堤の女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の株を持っていまして、それから毎月三
分
(
ぶ
)
ほど揚がるとかいうことで、そのほかに叔父の方から母の小遣いとして、
一分
(
いちぶ
)
ずつ仕送ってくれますので、あわせて毎月
小
(
こ
)
一両
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
新年の頭を
拵
(
こし
)
らえようという気になって、
宗助
(
そうすけ
)
は久し振に
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の敷居を
跨
(
また
)
いだ。暮のせいか客がだいぶ立て込んでいるので、
鋏
(
はさみ
)
の音が二三カ所で、同時にちょきちょき鳴った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
噂はそれからそれへと伝えられて、津の国屋には死霊の祟りがあるということが、単に湯屋
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の噂話ばかりでなく、
堅気
(
かたぎ
)
の
商人
(
あきんど
)
の店先でもまじめにささやかれるようになって来た。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「もとから
髪結床
(
かみゆいどこ
)
の親方かね」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
髪
常用漢字
中学
部首:⾽
14画
結
常用漢字
小4
部首:⽷
12画
床
常用漢字
中学
部首:⼴
7画
“髪結”で始まる語句
髪結
髪結新三
髪結銭
髪結所
髪結職
髪結賃
髪結渡世