驕慢けうまん)” の例文
あかねさすひたひ薔薇ばらの花、さげすまれたをんな憤怒いきどほりあかねさすひたひ薔薇ばらの花、おまへの驕慢けうまん祕密ひみつをお話し、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
お兼の言ふことはなか/\行き屆きますが、その語氣のうちにも、死んだお吉の驕慢けうまんな態度に對する非難がこもります。
あるからすおのれが人物を驕慢けうまんし、孔雀くじやくの羽根を見つけて此処かしこにまとひ、爾余じよ諸鳥しよてうをば大きにいやしめ、わがうへはあるまじいと飛び廻れば、諸鳥安からず思ひ
孔雀 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そりや女の驕慢けうまん根性こんじやうに對する自然の制裁せいさいさ。ところで嬰兒あかんぼに乳を飮ませるのがえらいかといふに、犬の母だツて小犬を育てるのだから、これも自慢じまんにはならん。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
その眼には驕慢けうまんと押しつけがましさとが光つてゐました。利休はその一刹那に、主人の表情に茶入の心持を見てとりました。茶入の表情に主人の心持を味はひました。
利休と遠州 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
彼はたゞ驕慢けうまんなり。彼はたゞ放縱なり。かくて飽くまで我を傷けたり。そはアヌンチヤタの我に優しきをねたみてなるべし。初め我を紹介せしは、いかにも彼男なりき。
わたくし春枝夫人はるえふじんこのせきつらなつたときには丁度ちやうどある年増としま獨逸ドイツ婦人ふじんがピアノの彈奏中だんそうちゆうであつたが、この婦人ふじんきはめて驕慢けうまんなる性質せいしつえて、彈奏だんそうあひだ始終しゞうピアノだいうへから聽集きゝてかほ流盻ながしめ
やうやくに自らを知るかく云へば人あやまりて驕慢けうまんと聞く
註釈与謝野寛全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
れるやぢん驕慢けうまん
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
お内儀の顏は冷たくて、空笑ひさへこほり付いて居りますが、その言葉は驕慢けうまんで戰鬪的で容赦を知らぬものでした。
この本は目次の第何章かに「恐しい四つの敵、——疑惑、恐怖、驕慢けうまん、官能的欲望」
歯車 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
安逸あんいつの、醜辱しうじよくの、驕慢けうまんもりの小路よ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
清左衞門はうなれました。よくも斯うぬけ/\辯解が出來ると思ふよりも、驕慢けうまんで才子肌で、人に頭などを下げた事のない丹之丞が、よく/\折れたのが氣の毒でもあつたのです。
年少時代の憂鬱は全宇宙に対する驕慢けうまんである。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それは十分に驕慢けうまんで、冷淡でさへありました。金持の娘によくある型です。