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青膨
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あをぶく
と、
頭だけ
膳の
隅へはさみ
出すと、
味噌かすに
青膨れで、ぶよ/\とかさなつて、
芥溜の
首塚を
見るやう、
目も
當てられぬ。
青膨れの、
額の
抜上つたのを
視ると、
南無三
宝、
眉毛がない、……はまだ
仔細ない。
唯、
何と、
其の
棕櫚の
毛の
蚤の
巣の
處に、
一人、
頭の
小さい、
眦と
頬の
垂下つた、
青膨れの、
土袋で、
肥張な
五十恰好の、
頤鬚を
生した、
漢が
立つて
居るぢやありませんか。
何ものとも
知れない。
青膨れが、
痰の
搦んだ、ぶやけた
聲して、
早や
行掛つた
私を
留めた……