-
トップ
>
-
青空
>
-
あをぞら
蟋蟀が鳴く夏の
夜の
青空のもと、神、
佛蘭西の
上に星の
盃をそそぐ。風は脣に夏の
夜の
味を傳ふ。
銀砂子ひかり凉しき空の爲、われは盃をあげむとす。
向うの
水道端に、いまの
女房さんが
洗濯をして
居る、
其の
上は
青空で、
屋根が
遮らないから、スツ/\
晃々と
矢ツ
張り
通るのである。「おかみさん。」
私は
呼んだ。
なんと
言ふことだ。
天氣は
上等、
此のとほりの
青空だ。かうして
自分は
荷車にのせられ、その
上にこれはまた
他の
獸等に
意地められないやうに、
用意周到なこの
駕籠。
その
青空、清き
青空は
堪へ難くうるさし。