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雨垂
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あまだ
ふりがな文庫
“
雨垂
(
あまだ
)” の例文
それは畑の
豆
(
まめ
)
の木の下や、林の
楢
(
なら
)
の木の根もとや、
又
(
また
)
雨垂
(
あまだ
)
れの石のかげなどに、それはそれは上手に
可愛
(
かあい
)
らしくつくってあるのです。
カイロ団長
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
もう一
度
(
ど
)
おせんは
奥
(
おく
)
へ
向
(
むか
)
って、
由斎
(
ゆうさい
)
を
呼
(
よ
)
んで
見
(
み
)
た。が、
聞
(
きこ
)
えるものは、わずかに
樋
(
とい
)
を
伝
(
つた
)
わって
落
(
お
)
ちる、
雨垂
(
あまだ
)
れの
音
(
おと
)
ばかりであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
帽子から
雨垂
(
あまだ
)
れがぽたりぽたりと落つる頃、五六間先きから、鈴の音がして、黒い中から、
馬子
(
まご
)
がふうとあらわれた。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余
(
よ
)
の
陳列所
(
ちんれつじよ
)
の
雨垂
(
あまだ
)
れ
落
(
おち
)
に
積重
(
つみかさ
)
ねてある
打製石斧
(
だせいせきふ
)
は、
數
(
かぞ
)
へては
見
(
み
)
ぬが、
先
(
ま
)
づ
謙遜
(
けんそん
)
して六七千
箇
(
こ
)
は
有
(
あ
)
ると
云
(
い
)
はう。
精密
(
せいみつ
)
に
計算
(
けいさん
)
したら、
或
(
あるひ
)
は一
萬
(
まん
)
に
近
(
ちか
)
いかも
知
(
し
)
れぬ。
探検実記 地中の秘密:05 深大寺の打石斧
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
頭痛がするで遅くなりましたと
皆
(
みんな
)
に
怠惰
(
なまけ
)
られるは
必定
(
ひつじょう
)
、その時自分が休んで居れば何と一言云いようなく、仕事が
雨垂
(
あまだ
)
れ拍子になってできべきものも
仕損
(
しそこな
)
う道理
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
雨垂
(
あまだ
)
れの音が早くなった。池の
鯉
(
こい
)
はどうしているか、それがまた灸には心配なことであった。
赤い着物
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
屋根の流れを集めた
樋
(
とい
)
が、まだ乾きもやらず、大粒な
雨垂
(
あまだ
)
れをたたくように地面へ落とす。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ビクターだけにしかないものでは、先の『葬送行進曲』を第一に、続いて、『
雨垂
(
あまだ
)
れのプレリュード』、『バラード(作品四七)』、『夜曲=ヘ長調(作品一五)』などであろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
豪奢
(
ごうしゃ
)
な白木の格天井の真中に、
方
(
ほう
)
二尺程のいびつな円形を作って、真赤な液体がベットリと滲み渡り、その中程と一方の隅との二ヶ所から、
雨垂
(
あまだ
)
れの様に、赤い
雫
(
しずく
)
が、ポトリ、ポトリと
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だが、家のものとしては、年頃でいて、のらくらと
夜更
(
よふか
)
しの連続では、愛想をつかす方が
尤
(
もっと
)
もと思うと、
雨垂
(
あまだ
)
れほどに戸も叩けず、すごすご近くの
聖天山
(
しょうでんやま
)
で夜を明かすのが例にさえなった。
「明治のおもかげ」序にかえて
(新字新仮名)
/
喜多村緑郎
(著)
雨垂
(
あまだ
)
れ落ちの所に、妙な影が一列に並んでいる。木とも見えぬ、草では無論ない。感じから云うと
岩佐又兵衛
(
いわさまたべえ
)
のかいた、
鬼
(
おに
)
の
念仏
(
ねんぶつ
)
が、念仏をやめて、踊りを踊っている姿である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
垂
常用漢字
小6
部首:⼟
8画
“雨垂”で始まる語句
雨垂落