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すきみ
ふりがな文庫
“
透見
(
すきみ
)” の例文
見てしまえば別に
何処
(
どこ
)
が面白かったと言えないくらいなもので、
洗湯
(
せんとう
)
へ行って女湯の
透見
(
すきみ
)
をするのと大差はない。
裸体談義
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
……次第に家ごと
揺
(
ゆす
)
るほどになりましたのに、何という
寂寞
(
さびしさ
)
だか、あの、ひっそりと障子の鳴る音。カタカタカタ、白い魔が忍んで来る、雪入道が
透見
(
すきみ
)
する。
雪霊続記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ある日宅の女中が近所の
小母
(
おば
)
さん達二、三人と垣根から隣を
透見
(
すきみ
)
しながら、何かひそひそ話しては忍び笑いに笑いこけているので、自分も好奇心に駆られてちょっと覗いてみると
重兵衛さんの一家
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その時に
透見
(
すきみ
)
をして、
有無
(
うむ
)
を言わさぬことだ。
大菩薩峠:31 勿来の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さしよりて
透見
(
すきみ
)
をすれば
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
蝶吉は
閨
(
ねや
)
を
透見
(
すきみ
)
したものを、
辱
(
はずか
)
しめ、且つ自分のしどけなかったのを
愧
(
は
)
ずるごとき、荒ッぽい調子であったが、また自ら
危
(
あやぶ
)
んで、罪の宣告を促して弱々しく
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
君は
透見
(
すきみ
)
ゆる霞の如き
薄紗
(
うすもの
)
の下に肉色したる
肌着
(
マイヨ
)
をつけ給ひたれば、君が二の腕、太腿の、
何処
(
いづく
)
のあたりまでぞ、唯一人君を
寝室
(
ねべや
)
に訪ふ人の、まことに触れ得べき自然の絹にして
舞姫
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
名ある女を、こうはいかに、あしらうまい、——奥様と云ったな——膝に
縋
(
すが
)
った
透見
(
すきみ
)
をしたか、恥と
怨
(
うらみ
)
を籠めた瞳は、
遊里
(
さと
)
の
二十
(
はたち
)
の
張
(
はり
)
が
籠
(
こも
)
って、
熟
(
じっ
)
と襖に注がれた。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時に、巴旦杏の樹へ
樹上
(
きのぼ
)
りをして、足を
踏
(
ふんば
)
張って
透見
(
すきみ
)
をしていたのは、青い洋服の少年です。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
外戸
(
おもてど
)
の隙からそッと
透見
(
すきみ
)
をして、小さな口で、(
母様
(
かあちゃん
)
、
父様
(
おとっちゃん
)
家に居るの?)と聞くんだよ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お辻の屋根へ出るのは、
手拭
(
てぬぐい
)
一筋
(
ひとすじ
)
棹
(
さお
)
に
懸
(
かか
)
つて居る時には限らない、
恰
(
あたか
)
も山の
裾
(
すそ
)
へかけて紙谷町は、だら/\のぼり、斜めに高いから一目に見える、薬屋の美少年をお辻が
透見
(
すきみ
)
をするのだと
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「うつかりして、
此方
(
こつち
)
から
透見
(
すきみ
)
をされた、とお
思
(
おも
)
ひですか。」
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
カタ/\カタ、
白
(
しろ
)
い
魔
(
ま
)
が
忍
(
しの
)
んで
來
(
く
)
る、
雪入道
(
ゆきにふだう
)
が
透見
(
すきみ
)
する。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
ああ、もう
彼処
(
あすこ
)
から
透見
(
すきみ
)
をなすった。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
透
常用漢字
中学
部首:⾡
10画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“透”で始まる語句
透
透間
透通
透徹
透綾
透明
透視
透彫
透過
透垣