賞美しやうび)” の例文
幼君えうくんこれを御覽ごらうじて、うれしげにえたまへば、かのすゝめたる何某なにがし面目めんぼくほどこして、くだんかご左瞻右瞻とみかうみ、「よくこそしたれ」と賞美しやうびして、御喜悦おんよろこび申上まをしあぐる。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
送りける故吝嗇りんしよく無類むるゐの五兵衞さへ萬端久八に任せ主人に代りて取扱とりあつかふ樣に成りけるに彌々いよ/\人々賞美しやうびして伊勢五の白鼠しろねずみと云れて店向の取締りをも爲すこととなりたりけり因て右捨子の次第を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とうさんの田舍ゐなかはうではあのはち佃煮つくだにのやうにして大層たいそう賞美しやうびするといたら、お前達まへたちおどろくでせうか。一口ひとくちはちひましても、木曾きそ賞美しやうびするのは地蜂ぢばちからつただけです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
よくこそ心掛給ひしといた賞美しやうびなし外々にて才覺致候はんと申ければ隱居は暫く考へ脊負葛籠せおひつゞら一ツ取出し中より猩々緋しやう/″\ひとらかは古渡こわたりのにしき金襴きんらんたん掛茶入かけちやいれ又は秋廣あきひろの短刀五本骨ほんぼねあふぎの三處拵ところごしらへの香箱かうばこ名香めいかう品々しな/″\其外金銀の小道具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
討しも同前知れがたき惡人共我手に入しは公儀こうぎへの御奉公ごほうこう親のあだのみならず本夫の敵まで討たるは忠孝貞とそろひし烈婦れつぷと云べし吉原町はじまりしより以降このかた斯る遊女有べからずと賞美しやうびありしかば瀬川は云もさらなり抱へ主松葉屋までも面目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)