調子ちようし)” の例文
いかにもねばりづよい、あきらめにくいかなしみのこゝろが、ものゝまとひついたように、くね/\した調子ちようしあらはれてゐるのがかんじられませう。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
こゝへもわたしきましたが、出來できまへのものより、すこおとるようでありますが、大體だいたいにおいておな調子ちようしであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
艦長松島大佐かんちやうまつしまたいさむかつて、何事なにごとをか二言ふたこと三言みこと公務こうむ報告ほうこくをはつてのちわたくしほう向直むきなをつた。快活くわいくわつ調子ちようし
こんなうたになると、自由じゆううかれるような調子ちようしが、ぴったりともりを鯨船くぢらぶねのすばやい動作どうさあらはすに適當てきとうしてゐるではありませんか。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
『な、な、何故なぜですか。』と、りく仲間なかま一時いちじ顏色がんしよくへたのである。大佐たいさは、たゞちにこのとひにはこたへんとはせで、かうべめぐらして、彼方かなたなる屏風岩べうぶいわほうながめたが、沈欝ちんうつなる調子ちようし
とおもふはなどいふ調子ちようしは、いかにもくらしかねてゐる退たいくつなひとのあくびでもしたいような氣持きもちがてゐるとおもひます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)