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衝動
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しょうどう
ふりがな文庫
“
衝動
(
しょうどう
)” の例文
失礼! が、ぼくはふき出したい
衝動
(
しょうどう
)
のあとで、泣き出したいような気になりました。だって、このお嬢さん達は、きっと祖国を知らないんだ。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
私は今ここまで書いて来て、初代さんに私の手を差し伸べたい
衝動
(
しょうどう
)
に強く動かされる。けれど、今はもう私ののべる手を受けてくれる手がない。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「なに、どこにも見当らないって」その報告をきいた大江山警部は、
鈍間
(
とんま
)
な刑事を
殴
(
なぐ
)
りたおしたい
衝動
(
しょうどう
)
に
駆
(
か
)
られたのを、やっとのことで我慢した。
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
当の上野介がうけたかすり傷や恐怖以上に、あの時、大きな
衝動
(
しょうどう
)
をうけたのは上杉家だった。またその
磐石
(
ばんじゃく
)
の社稷を
担
(
にな
)
っている老臣千坂兵部だった。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
動物の神経だなんというものはただ本能と
衝動
(
しょうどう
)
のためにあるです。神経なんというのはほんの少ししか働きません。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
瞼
(
まぶた
)
に水の
衝動
(
しょうどう
)
が少くなると小初は水中で眼を開いた。こどもの時分から一人娘を水泳の天才少女に仕立てるつもりの父親敬蔵は、かなり厳しい
躾
(
しつ
)
け方をした。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
時計は
容赦
(
ようしゃ
)
なく三分、五分と進んで、もう十一時を過ぎてしまった。お祖母さんはやはり動かない。次郎は何かをその頭になげつけてやりたいような
衝動
(
しょうどう
)
を感じた。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
雪之丞は、その時、不思議な
衝動
(
しょうどう
)
に駆られて、じっと、広海屋をみつめて、しかし、さり気なく——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
私は死の恐怖に眼を閉じて
一途
(
いちず
)
に性の
衝動
(
しょうどう
)
の
赴
(
おもむ
)
くままに身を
委
(
まか
)
せた。夫も私の大胆さと無鉄砲さに
呆
(
あき
)
れ、今にどうなるであろうかと案じながらも結局私に引き
擦
(
ず
)
られて行った。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
久助君は、ねこのようにくるいたい
衝動
(
しょうどう
)
が、からだの中にうずうずするのを感じた。
久助君の話
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
翌日、朝の五時ごろ、突きあげられるような
衝動
(
しょうどう
)
を感じて眼をさました。吉之丞は
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
そのひっそりした稲妻、その
遠慮
(
えんりょ
)
がちのひらめきが、同じくわたしの身うちにもひらめいている無言のひそやかな
衝動
(
しょうどう
)
に、ちょうど相応ずるもののように思われた。夜が明け始めた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そしてそのための私の
歓
(
よろこ
)
ばしさと言ったら、
昔
(
むかし
)
の詩人等が野薔薇のために歌った詩句を、口ずさむなんと言うのではなく、それを知っているだけ残らず大きな声で
呶鳴
(
どな
)
り散らしたいような
衝動
(
しょうどう
)
にまで
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
鉈
(
なた
)
か何かで斬り落してしまいたいような
衝動
(
しょうどう
)
を感じるのですよ
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
高圧電気にふれたときのようなはげしい
衝動
(
しょうどう
)
を感じると共に、全身にするどい痛みをおぼえた。それで僕は気がついた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
内田さんや中村
嬢
(
じょう
)
のなかに交ってあなたの姿もみえたとき、ぼくは心が定らないまま
逃
(
に
)
げだしたい
衝動
(
しょうどう
)
にかられました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
むしろ宣和書院の一員と聞いたときは、むかと、
唾
(
つば
)
でも吐きかけてやりたいような
衝動
(
しょうどう
)
すらあった。
人間山水図巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、真智子の前で恥をかいている恭一の顔を、じっと見つめていたいような
衝動
(
しょうどう
)
にかられた。しかし、いじめている二人に対しては、決して好感が持てなかった。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
小初は
堅気
(
かたぎ
)
な料理屋と知っていて、わざと
呆
(
とぼ
)
けて貝原に
訊
(
き
)
いた。貝原は何の
衝動
(
しょうどう
)
も見せず
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
柳営
(
りゅうえい
)
大奥の秘事にさえ通じているということを、お初の前で
披瀝
(
ひれき
)
して、相手から尊敬を買いたいような
衝動
(
しょうどう
)
に駆られたかのように、今は、つつしみを忘れて、しゃべりつづけるのだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
兵士等大将のエボレット勲章等を見て食せんとするの
衝動
(
しょうどう
)
甚
(
はなはだ
)
し。
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのときの
衝動
(
しょうどう
)
は強く、帰ってから直ぐ書きかけの原稿紙を全部、破ってしまいました。こんな興奮するようでは、
未
(
ま
)
だとても書けないと
諦
(
あきら
)
めたからです。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ほかにも、同じ
鈴鹿
(
すずか
)
郡の峰ノ城代岡本重政がやはり睨まれていたし、かたがた神戸信孝の岐阜
失陥
(
しっかん
)
にも
衝動
(
しょうどう
)
されて、同国の形勢は、
頓
(
とみ
)
に騒然たるものがあったらしい。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私たちの体は、なんの
衝動
(
しょうどう
)
も感じなかったけれど、
深度計
(
しんどけい
)
の指針は、ぐんぐん右へ廻りだした。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これが御着城に聞え出した日から、小寺政職以下、すわというような
衝動
(
しょうどう
)
をあらわしていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ゴンゴラ総指揮官は、飛行機にのって特殊飛行をやってみたい
衝動
(
しょうどう
)
に
駆
(
か
)
られて、弱った。
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私は大きい
衝動
(
しょうどう
)
にたえきれないで、恐ろしい
現場
(
げんば
)
を前に、あらゆる
知覚
(
ちかく
)
を失ってしまいました。暗い世界に落ちてゆくような気がしたのが最後で、なにもかも
解
(
わか
)
らなくなったのです。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
衝
常用漢字
中学
部首:⾏
15画
動
常用漢字
小3
部首:⼒
11画
“衝動”で始まる語句
衝動的
衝動的吸気