膏薬かうやく)” の例文
旧字:膏藥
かはつてかへつてたのはくま膏薬かうやく伝次郎でんじらう、やちぐさんだかさかむたぬき毛皮けがはそでなしをて、糧切まぎりふぢづるでさや出来できてゐる。
見るも無惨な凸凹でこぼこ瘡蓋かさぶたになつた私の顔に姉は膏薬かうやくを塗つてくれながらへんな苦が笑ひをした。私は鏡を見て明け暮れ歎き悲しんだのであつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
膏薬かうやくがすにもおやあにまたそばのものがけると、かたくなつてこはばつたのが、めり/\とにくにくツついてれる、ひい/\とくのぢやが、むすめをかけてやればだまつてこらへた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「お猫さんに引つかかれた時につける膏薬かうやく」といふ薬を買つたからです。
お猫さん (新字旧仮名) / 村山籌子古川アヤ(著)
これしよくはありませんが薬屋くすりやの息子でございますから、くま膏薬かうやくることを知つてりますから、膏薬かうやくこしらへて山越やまごえをしてあつち此方こつちつてゐるのでございます。
気休きやすめに膏薬かうやくつてく。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
これを腰にぶらさげくま膏薬かうやくはいつた箱をはす背負せお鉄雪沓てつかんじき穿いて、伝