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肱枕
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ひぢまくら
斯く
言ひつゝ
法華僧は
哄然と
大笑して、
其まゝ
其處に
肱枕して、
乘客等がいかに
怒りしか、いかに
罵りしかを、
渠は
眠りて
知らざりしなり。
却りて
仕合好しと、貫一は
打労れたる身を
暢かに、障子の月影に
肱枕して、
姑く
喫烟に
耽りたり。
秋日和と
名のつく
程の
上天氣なので、
徃來を
行く
人の
下駄の
響が、
靜かな
町丈に、
朗らかに
聞えて
來る。
肱枕をして
軒から
上を
見上ると、
奇麗な
空が
一面に
蒼く
澄んでゐる。
と、とのさまは
今の
二合で、
大分御機嫌。ストンと、いや、
床が
柔軟いから、ストンでない、スポンと
寢て、
肱枕で、
阪地到來の
芳酒の
醉だけに、
地唄とやらを
口誦む。