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肩掛
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ショオル
ふりがな文庫
“
肩掛
(
ショオル
)” の例文
あわれだとお思いなすって、母様がお
銭
(
あし
)
を恵んで、
肩掛
(
ショオル
)
を着せておやんなすったら、じいさん涙を落して拝んで喜びましたって、そうして
化鳥
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
最初の人は、黒い髮と、黒い眼と、
蒼白
(
あをじろ
)
い廣い
額
(
ひたひ
)
とを持つた、背の高い婦人であつた。彼女の
體
(
からだ
)
は、半ば
肩掛
(
ショオル
)
に包まれてゐた。彼女の風貌は重々しく、姿勢は、すつきりしてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
お絹が、階子段を転げた時から、片手に持っていた、水のように薄色の藤紫の
肩掛
(
ショオル
)
を、
俯向
(
うつむ
)
いた頬へ当てたのです。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
慌
(
あわただ
)
しい折から手の触るも顧みず、奪うがごとく引取って、
背後
(
うしろ
)
から夫人の肩を
肩掛
(
ショオル
)
のように包むと、撫肩はいよいよ細って、身を
萎
(
すく
)
めたがなお見
好
(
よ
)
げな。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頭巾着て
肩掛
(
ショオル
)
引絡
(
ひきまと
)
える小親が立姿、月下に
斜
(
ななめ
)
なり。横向きて目迎えたれば
衝
(
つ
)
と寄りぬ。立並べば手を取りて
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
婦人は
毀誉
(
きよ
)
を耳にも懸けず、いまだ売買の約も整わざる、襯衣を着けて、
膚
(
はだえ
)
を蔽い、肩を納め、帯を
占
(
し
)
め、
肩掛
(
ショオル
)
を取りて
颯
(
さ
)
と羽織り、悠々として去らんとせり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに焦茶の
肩掛
(
ショオル
)
をしたのは、今日あたりの陽気にはいささかお荷物だろうと思われるが、これも近頃は
身躾
(
みだしなみ
)
の一ツで、
貴婦人
(
あなた
)
方は、
菖蒲
(
あやめ
)
が過ぎても遊ばさるる。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とて、左の袖下
掻開
(
かいひら
)
きて、
右手
(
めて
)
を添えて引入れし、
肩掛
(
ショオル
)
のひだしとしとと重たくわが肩に
懸
(
かか
)
りたり。冷たき帯よ。その肩のあたりに熱したる頬を
撫
(
な
)
でて、時計の鎖輝きぬ。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
われは
肩掛
(
ショオル
)
の中に
口籠
(
くちごも
)
りぬ。袖
面
(
おもて
)
を
蔽
(
おお
)
いたれば、
掻分
(
かきわ
)
けて顔をば
出
(
いだ
)
しつ。冷たき夜なりき。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この会場に
入
(
い
)
るものは、位ある
有髯
(
ゆうぜん
)
男子も脱帽して恭敬の意を表せざるべからざるに、
渠
(
かれ
)
は何者、
肩掛
(
ショオル
)
を
被
(
かつ
)
ぎ、頭巾目深に面を包みて、
顔容
(
かおかたち
)
は見えざれども、目は
冷
(
ひやや
)
かに人を射て
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
薄色縮緬の
頭巾
(
ずきん
)
目深
(
まぶか
)
に、唐草模様の
肩掛
(
ショオル
)
を
被
(
き
)
て、三枚
襲
(
がさね
)
の
衣服
(
きもの
)
の
裾
(
すそ
)
、
寛闊
(
かんかつ
)
に蹴開きながら、
衝
(
つ
)
と屑屋の身近に
来
(
きた
)
り、冷然として、既に見えざる車を目送しつつ、
物凄
(
ものすご
)
き
笑
(
えみ
)
を漏らせり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
くくり枕の
傍
(
かたわら
)
には、盆の上に薬の瓶、左の隅に
衣桁
(
いこう
)
があって、ここに博多の男帯、黒
縮緬
(
ちりめん
)
の女羽織、金茶色の
肩掛
(
ショオル
)
など、中にも江戸
褄
(
づま
)
の二枚小袖、藤色に
裳
(
もすそ
)
を
曳
(
ひ
)
いて、
襲
(
かさ
)
ねたままの
脇開
(
わきあけ
)
を
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
肩
常用漢字
中学
部首:⾁
8画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“肩掛”で始まる語句
肩掛革包