“引絡”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひきまと55.6%
ひっから44.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誠にさなり、彼は病客なるべきをと心釈こころとけては、はや目も遣らずなりけるひまに、男はゆあみ果てて、貸浴衣かしゆかた引絡ひきまとひつつ出で行きけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
折からのざんざぶりで、一人旅の山道に、雨宿りをする蔭もない。……ただ松の下で、行李こうりを解いて、雨合羽あまがっぱ引絡ひきまとううちも、そでを絞ったというのですが。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
尻を引絡ひっからげて川へ入り込もうとするから、人足どもがバラバラと駈けて来て米友を囲んでしまい、その手を持ってギュウギュウ引き立て
その人と姉との間に起ったこんな交渉のなかに引絡ひっからまっている古い自分の影法師は、彼に取って可笑おかしいというよりもむしろ悲しいものであった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)