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引絡
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ひきまと
ふりがな文庫
“
引絡
(
ひきまと
)” の例文
誠にさなり、彼は病客なるべきをと
心釈
(
こころと
)
けては、はや目も遣らずなりける
間
(
ひま
)
に、男は
浴
(
ゆあ
)
み果てて、
貸浴衣
(
かしゆかた
)
引絡
(
ひきまと
)
ひつつ出で行きけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
折からのざんざ
降
(
ぶり
)
で、一人旅の山道に、雨宿りをする蔭もない。……ただ松の下で、
行李
(
こうり
)
を解いて、
雨合羽
(
あまがっぱ
)
を
引絡
(
ひきまと
)
ううちも、
袖
(
そで
)
を絞ったというのですが。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頭巾着て
肩掛
(
ショオル
)
引絡
(
ひきまと
)
える小親が立姿、月下に
斜
(
ななめ
)
なり。横向きて目迎えたれば
衝
(
つ
)
と寄りぬ。立並べば手を取りて
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蒼面
(
そうめん
)
、乱髪、帯も
〆
(
し
)
めず、衣服も着けず、素肌に
古毛布
(
ふるげっと
)
を
引絡
(
ひきまと
)
いて、破れたる穴の中よりにょッきと天窓を出だせるのみ、歩を移せば
脛股
(
けいこ
)
すなわち出ず、警吏もしその失体を
詰責
(
きっせき
)
せんか
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
時に
一縷
(
いちる
)
の
暗香
(
あんこう
)
ありて、垣の内より
洩
(
も
)
れけるにぞ法師は鼻を
蠢
(
うご
)
めかして、密に
裡
(
うち
)
を
差覗
(
さしのぞ
)
けば、美人は行水を使いしやらむ、浴衣涼しく
引絡
(
ひきまと
)
い、人目のあらぬ処なれば、
巻帯姿
(
まきおびすがた
)
繕わで
端居
(
はしい
)
したる
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
絡
常用漢字
中学
部首:⽷
12画
“引”で始まる語句
引
引込
引摺
引返
引張
引掛
引籠
引立
引緊
引出