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老師
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らうし
宗助は
老師の
此挨拶に
對して、
丁寧に
禮を
述べて、
又十日前に
潛つた
山門を
出た。
甍を
壓する
杉の
色が、
冬を
封じて
黒く
彼の
後に
聳えた。
「まあ
何から
入つても
同じであるが」と
老師は
宗助に
向つて
云つた。「
父母未生以前本來の
面目は
何だか、それを
一つ
考へて
見たら
善かろう」
「
東京はまだ
寒いでせう」と
老師が
云つた。「
少しでも
手掛りが
出來てからだと、
歸つたあとも
樂だけれども。
惜い
事で」
師家(しけ)
師家(しけ)は禅宗で修行僧を指導する力量を具えた者をさす尊称。また、その資格。古くは一般に嗣法の師僧をさす呼び名だったが、現在では修行道場である僧堂を主宰し、悟達の修行僧に印可を与える資格を有する者をいう。老師(Rōshi)と尊称される。臨済宗では修行僧に公案を与え、その境涯を点検できるのは師家のみとされている。
上記の意味から転じて、武術の指導者のこと。必ずしも家元にあたる者を指すとは限らない。
(出典:Wikipedia)