“老師(らうし)” の例文
宗助(そうすけ)は老師(らうし)の此(この)挨拶(あいさつ)に對(たい)して、丁寧(ていねい)に禮(れい)を述(の)べて、又(また)十日(とをか)前(まへ)に潛(くゞ)つた山門(さんもん)を出(で)た。甍(いらか)を壓(あつ)する杉(すぎ)の色(いろ)が、冬(ふゆ)を封(ふう)じて黒(くろ)く彼(かれ)の後(うしろ)に聳(そび)えた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「まあ何(なに)から入(はひ)つても同(おな)じであるが」と老師(らうし)は宗助(そうすけ)に向(むか)つて云(い)つた。「父母(ふぼ)未生(みしやう)以前(いぜん)本來(ほんらい)の面目(めんもく)は何(なん)だか、それを一(ひと)つ考(かんが)へて見(み)たら善(よ)かろう」
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「東京(とうきやう)はまだ寒(さむ)いでせう」と老師(らうし)が云(い)つた。「少(すこ)しでも手掛(てがゝ)りが出來(でき)てからだと、歸(かへ)つたあとも樂(らく)だけれども。惜(をし)い事(こと)で」
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)