素裸すつぱだか)” の例文
なに貴女あなた男同士をとこどうしだ、とうかすると、御近所ごきんじよづから、町内ちやうないでは錢湯おゆやなかで、素裸すつぱだか初對面しよたいめん挨拶あいさつをすることがありますよ……
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
畫題ぐわだいは『自然しぜんこゝろ』と謂ツて、ちらしがみ素裸すつぱだかわかをんなが、新緑しんりよく雑木林ざふきばやしかこはれたいづみかたはらに立ツて、自分のかげ水面すゐめんに映ツてゐるのをみまもツてゐるところだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
家も、屋敷も、商品も、二重にも三重にも抵當に入つて、この盆には、素裸すつぱだかはふり出されるか、首でもくゝるより外に、貫兵衞の行く場所は無かつたのでした。
で、はて亭主ていしゆが、のみけるためののみつて、棕櫚しゆろ全身ぜんしんまとつて、素裸すつぱだかで、寢室しんしつえんしたもぐもぐり、一夏ひとなつのうちに狂死くるひじにをした。——
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
……消防手かしら御免ごめんよ。兄哥あにいおこるな。金屏風きんびやうぶつるまへに、おかめ、ひよつとこ、くりからもん/\のはだぬぎ、あぐら、なかには素裸すつぱだかるではないか。其處そこ江戸えどだい。おまつりだ。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)