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紅毛人
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こうもうじん
ふりがな文庫
“
紅毛人
(
こうもうじん
)” の例文
そう云う薄暗い堂内に
紅毛人
(
こうもうじん
)
の
神父
(
しんぷ
)
が一人、
祈祷
(
きとう
)
の頭を
垂
(
た
)
れている。年は四十五六であろう。額の
狭
(
せま
)
い、
顴骨
(
かんこつ
)
の突き出た、
頬鬚
(
ほおひげ
)
の深い男である。
おしの
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
自分の栄華のために、
紅毛人
(
こうもうじん
)
に御国の宝をやって、やくたいもない
贅沢
(
ぜいたく
)
な品物を買入れ、それを
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
紅毛人
(
こうもうじん
)
の散歩場なのでもあるし、つい先ごろまでは、人中で肌などあらわすようなことは、死んでもしないというふうに女はしつけられていたのだから、白昼衆目の見る前で
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
今考えて見ると、幾代か前の先祖が、その頃あの辺によくやって来た、オランダとかイスパニヤとかの
紅毛人
(
こうもうじん
)
から、外国風の墓地の構造を聞き伝えて、それを真似たのかも知れない。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
それから
又
(
また
)
パリの
或
(
ある
)
カツフエにやはり
紅毛人
(
こうもうじん
)
の
畫家
(
ぐわか
)
が
一人
(
ひとり
)
、一
椀
(
わん
)
の「しるこ」を
啜
(
すゝ
)
りながら、——こんな
想像
(
さうぞう
)
をすることは
閑人
(
かんじん
)
の
仕事
(
しごと
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
その男というのは、燃えるような赤毛に、白子のような肌をした
碧眼
(
へきがん
)
の大男で、
紅毛人
(
こうもうじん
)
を見た事のない平次の眼には、地獄変相図から抜け出した、悪鬼のように恐ろしく映ったでしょう。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
吉助「われら三年の間、諸処を経めぐった事がござる。その折さる
海辺
(
うみべ
)
にて、見知らぬ
紅毛人
(
こうもうじん
)
より伝授を受け申した。」
じゅりあの・吉助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうしてその中に坐りながら、熱心に話し合っている三人の
紅毛人
(
こうもうじん
)
とを、読者自身の想像に描いて見るよりほかはない。
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
帝國
(
ていこく
)
ホテルや
精養軒
(
せいやうけん
)
のマネエヂヤア
諸君
(
しよくん
)
は
何
(
なに
)
かの
機會
(
きくわい
)
に
紅毛人
(
こうもうじん
)
たちにも一
椀
(
わん
)
の「しるこ」をすすめて
見
(
み
)
るが
善
(
よ
)
い。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
悠々とアビトの
裾
(
すそ
)
を引いた、鼻の高い
紅毛人
(
こうもうじん
)
は、
黄昏
(
たそがれ
)
の光の
漂
(
ただよ
)
った、
架空
(
かくう
)
の
月桂
(
げっけい
)
や薔薇の中から、一双の
屏風
(
びょうぶ
)
へ帰って行った。
南蛮船
(
なんばんせん
)
入津
(
にゅうしん
)
の図を
描
(
か
)
いた、三世紀以前の古屏風へ。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「しるこ」は
西洋料理
(
せいやうりやうり
)
や
支那料理
(
しなりやうり
)
と一しよに
東京
(
とうきやう
)
の「しるこ」を
第
(
だい
)
一としてゐる。(
或
(
あるひ
)
は「してゐた」と
言
(
い
)
はなければならぬ。)しかもまだ
紅毛人
(
こうもうじん
)
たちは「しるこ」の
味
(
あぢ
)
を
知
(
し
)
つてゐない。
しるこ
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
柳町
(
やなぎまち
)
の
廓
(
くるわ
)
にいたのは、まだ三十を越えていない、
赧
(
あか
)
ら顔に
鬚
(
ひげ
)
の生えた、浪人だと云うではありませんか?
歌舞伎
(
かぶき
)
の小屋を
擾
(
さわ
)
がしたと云う、腰の曲った
紅毛人
(
こうもうじん
)
、
妙国寺
(
みょうこくじ
)
の
財宝
(
ざいほう
)
を
掠
(
かす
)
めたと云う
報恩記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“紅毛人(
紅毛
)”の解説
紅毛(こうもう)、または紅毛人は、主に17世紀から19世紀にかけ(日本では江戸時代)、日本、福建・台湾、東南アジア華僑・華人社会などで使われた、白人(あるいはその一部・特定の国民)に対する呼称である。
閩南語(福建語)読みを音写した ang mo / ang moh(アンモ、アンモー)は、現代では侮蔑語・差別語とみなされることがある。中国語では侮蔑の意味を強めた「紅毛屎」「紅毛鬼」「紅毛猴」「紅気鬼子」という表現もある。
(出典:Wikipedia)
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“紅毛”で始まる語句
紅毛
紅毛碧眼
紅毛氈
紅毛子
紅毛碧瞳
紅毛黒衣