“穗首”の読み方と例文
読み方割合
ほくび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勘次(かんじ)は菜切庖丁(なきりばうちやう)を取出(とりだ)して、其(その)高(たか)い蜀黍(もろこし)の幹(みき)をぐつと曲(まげ)ては穗首(ほくび)に近(ちか)く斜(なゝめ)に伐(き)つた。穗(ほ)は勘次(かんじ)の手(て)に止(とま)つて幹(みき)は急(きふ)に跳(は)ね返(かへ)つた。さうして戰慄(せんりつ)した。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それでもそれ丈(だけ)の收入(しうにふ)の外(ほか)に食料(しよくれう)の減(げん)ずることが貧乏(びんばふ)な世帶(しよたい)には非常(ひじやう)な影響(えいきやう)なのである。それが稻(いね)の穗首(ほくび)の垂(た)れる頃(ころ)からお品(しな)は思案(しあん)の首(くび)を傾(かし)げるやうになつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
周圍(しうゐ)の臺地(だいち)からは土瓶(どびん)の蓋(ふた)をとつて釣瓶(つるべ)をごつと傾(かたむ)けたやうに雨水(あまみづ)が一杯(ぱい)に田(た)に聚(あつま)つて稻(いね)の穗首(ほくび)が少(すこ)し浸(ひた)つた。田圃(たんぼ)も堀(ほり)も一(ひと)つに成(な)つた水(みづ)は土瓶(どびん)の口(くち)から吐(は)き出(だ)すやうに徐(おもむろ)に低(ひく)い田(た)へと落(おち)る。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)