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稜々
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りょうりょう
ふりがな文庫
“
稜々
(
りょうりょう
)” の例文
てきぱきした実務家の
冉有
(
ぜんゆう
)
。温厚の長者
閔子騫
(
びんしけん
)
。
穿鑿
(
せんさく
)
好きな故実家の
子夏
(
しか
)
。いささか
詭弁派的
(
きべんはてき
)
な
享受家
(
きょうじゅか
)
宰予
(
さいよ
)
。
気骨
(
きこつ
)
稜々
(
りょうりょう
)
たる
慷慨家
(
こうがいか
)
の
公良孺
(
こうりょうじゅ
)
。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
主
(
しゅ
)
の勝久は若年でまだ二十六歳。その下の孤忠の臣たり一代の侠骨鹿之介幸盛は、三十九歳の
稜々
(
りょうりょう
)
たる
骨
(
こつ
)
がらの持主であった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恐れ気もなくいってのける闇太郎に、
気骨
(
きこつ
)
稜々
(
りょうりょう
)
たる門倉平馬の気持は、ますます
惹
(
ひ
)
きつけられて、行くらしかった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
年久しく
風霜
(
ふうそう
)
と闘うて
皮
(
かわ
)
は大部分
剥
(
は
)
げ、葉も落ちて、
老骨
(
ろうこつ
)
稜々
(
りょうりょう
)
たる
大蝦夷松
(
おおえぞまつ
)
が唯一つ峰に
突立
(
つった
)
って居るのであった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と
分明
(
はっき
)
り返事をして、小気味よく小用をたしていた——尤もむずかしい仕事ではない、家のなかの雑用だが——彼は見かけだけは
稜々
(
りょうりょう
)
たる男ぶりだった。
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
揃
(
そろ
)
いも揃って
気骨
(
きこつ
)
稜々
(
りょうりょう
)
たる不遇の高材逸足の集合であって、大隈侯等の維新の当時の
築地
(
つきじ
)
の
梁山泊
(
りょうざんぱく
)
知らず
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
この縁談はもう
纏
(
まとま
)
ったものと、今までの経験に因って、道学者はしか心得るのに、酒井がその気骨
稜々
(
りょうりょう
)
たる姿に似ず、悠然と構えて、煙草の煙を長々と続ける工合が
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに引かえて
主人
(
あるじ
)
は
萎
(
な
)
え汚れて黒ばめる衣裳を、
流石
(
さすが
)
に寒げに着てこそは居ないが、身の
痩
(
やせ
)
の知らるる怒り肩は
稜々
(
りょうりょう
)
として、
巌骨
(
がんこつ
)
霜を帯びて
屹然
(
きつぜん
)
として
聳
(
そび
)
ゆるが如く
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
要するに肉と云う肉がみんな退却して、骨と云う骨がことごとく
吶喊
(
とっかん
)
展開するとでも評したら好かろう。顔の骨だか、骨の顔だか分らないくらいに、
稜々
(
りょうりょう
)
たるものである。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
私は表面若旦那然たるなりをしてゐても一と皮
剥
(
は
)
げば
衒気
(
げんき
)
満腹、蛮骨
稜々
(
りょうりょう
)
、鼻持のならない野心や情慾が悪臭紛々と漲つてゐる不良青年であつたから、先生のやうな温雅な尊者の前へ出ると
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「気骨
稜々
(
りょうりょう
)
だね。」横沢氏は、にやにや笑って、「見どころあり、かね?」
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その眼もとも、父太子に似て涼しく澄んでゐたが、それでゐて人品
骨柄
(
こつがら
)
は全体として父親とは似てもつかず、あくまで大ぶりで筋骨逞ましく、気骨もそれによくふさつて
稜々
(
りょうりょう
)
たるものがあつた。
鸚鵡:『白鳳』第二部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
もはや今の私には分からないが、はじめの方で男子の形態を記載した
条
(
くだり
)
に、「
稜々
(
りょうりょう
)
トシテ鋭シ」の句があり、脳髄を説かれた条に、「大脳ハ精神ノ物質的代標タリ」とあるのを、私は忘れずにいた。
呉秀三先生
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
これに由って見るに、楓江は奇骨
稜々
(
りょうりょう
)
たる青年にして、
啻
(
ただ
)
に詩文を善くしたのみならず武芸にも達していたが
慷慨家
(
こうがいか
)
を以て自ら任じ仕官の道を求めなかったので赤貧洗うが如く住所も不定であった。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし是に懲らされて、狐は落されてしまったと見え、それからは、
鳶肩
(
えんけん
)
長身、
傲骨
(
ごうこつ
)
稜々
(
りょうりょう
)
たる匡衡朝臣も、おとなしくなって、好いお父さんになっていたという話である。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
稜
漢検準1級
部首:⽲
13画
々
3画
“稜”で始まる語句
稜
稜威
稜角
稜線
稜立
稜形
稜堡
稜鏡
稜嶒
稜張