神祇しんぎ)” の例文
一、表六句(百韻は八句)には神祇しんぎ、釈教、恋、無常、述懐、人名、地名、疾病しっぺい等を禁ず。窮屈なるやうなれども一理なきにあらず、従ふべし。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
だからまだ、布告の大礼までにはいたらないが、今日以後は、このきみを以て天子とするという、践祚の礼は、天地の神祇しんぎに誓われたわけである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
半日はんにち散策さんさく神祇しんぎあり、釋教しやくけうあり、こひあり、無常むじやうあり、けいあり、ひとあり、したがうてまたじやうあり、ぜにすくなきをいかにせむ。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「はくらん病が買ひ候はん」も手厳てきびしいには違ひない。が、「東武とうぶの会に盆を釈教しやくけうとせず、嵐雪らんせつ是を難ず。翁曰、盆を釈教とせば正月は神祇しんぎなるかとなり。」
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
む。子路祷らんことを請う。子曰く、これ有りや。子路こたえて曰く、あり、るいなんじを上下の神祇しんぎいのるといえり。子曰く、きゅうの祷ること久し。(述而、三五)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
屡瞬しばたゝき是お節其方そなたは此九助と夫婦に成たるは前世ぜんせよりの惡縁ならん我は天地の神祇しんぎ照覽せうらんあれ人など殺せし覺えは露聊つゆいさゝかもなきなれど是皆伯父九郎兵衞が惡巧わるたくみより無實の罪におちいる事と推量すゐりやうはなしながら證據しようこなき故辯解いひわけたゝず是と云も先立れし親々への孝行と思ばこそ不義淫奔いたづらせし先妻せんさいお里憎ひ奴とは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
式亭三馬しきていさんばが何年か前に出版した滑稽本こっけいぼんの中で、「神祇しんぎ釈教しゃっきょうこい無常むじょう、みないりごみの浮世風呂うきよぶろ
戯作三昧 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
改めて三名は、祭壇へ向って牛血と酒をそそぎ、ぬかずいて、天地の神祇しんぎ黙祷もくとうをささげた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われら君側は、ただに主上を至尊しそんと仰ぎ奉るだけでなく、天地の神祇しんぎにかけて、一死のちぎりは常にこうなのだ。さもなくて、何でかほどな大事を挙げえようぞ。……が、聞かれよ正成。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)