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相対
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あひたい
ふりがな文庫
“
相対
(
あひたい
)” の例文
旧字:
相對
彼の新なる悔は切に
夤
(
まつは
)
るも、
徒
(
いたづら
)
に凍えて水を得たるに
同
(
おなじ
)
かるこの
両
(
ふたつ
)
の者の、
相対
(
あひたい
)
して
相拯
(
あひすく
)
ふ能はざる
苦艱
(
くげん
)
を添ふるに過ぎざるをや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
前面
(
ぜんめん
)
の
大手
(
おほて
)
の
彼方
(
かなた
)
に、
城址
(
しろあと
)
の
天守
(
てんしゆ
)
が、
雲
(
くも
)
の
晴
(
は
)
れた
蒼空
(
あをぞら
)
に
群山
(
ぐんざん
)
を
抽
(
ぬ
)
いて、すつくと
立
(
た
)
つ……
飛騨山
(
ひださん
)
の
鞘
(
さや
)
を
払
(
はら
)
つた
鎗
(
やり
)
ヶ
嶽
(
だけ
)
の
絶頂
(
ぜつちやう
)
と、
十里
(
じふり
)
の
遠近
(
をちこち
)
に
相対
(
あひたい
)
して
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
社会と自己とを
相対
(
あひたい
)
させる形になつて居るのである。かういふ心境に当つて、社会劇が出来るのである。
社会劇と印象派
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
代助は三千代と
相対
(
あひたい
)
づくで、
自分等
(
じぶんら
)
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あひだ
)
をあれ以上に
何
(
ど
)
うかする勇気を
有
(
も
)
たなかつたと同時に、三千代のために、
何
(
なに
)
かしなくては居られなくなつたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
果して人の
入来
(
いりき
)
て、
夕餉
(
ゆふげ
)
の
設
(
まうけ
)
すとて
少時
(
しばし
)
紛
(
まぎら
)
されし後、二人は
謂
(
い
)
ふべからざる
佗
(
わびし
)
き無言の中に
相対
(
あひたい
)
するのみなりしを、荒尾は始て高く
咳
(
しはぶ
)
きつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
私は病気になつて始めて死といふものと
相対
(
あひたい
)
した。今までにも死とは度々面したと思つてゐるが、それは空想で、本当の死といふものはそんなものではないといふことが始めて分つた。
心の階段
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
各
(
おのおの
)
静に窓前の竹の
清韻
(
せいいん
)
を聴きて
相対
(
あひたい
)
せる座敷の
一間
(
ひとま
)
奥に、
主
(
あるじ
)
は
乾魚
(
ひもの
)
の如き
親仁
(
おやぢ
)
の黄なる
髯
(
ひげ
)
を長く
生
(
はや
)
したるが、
兀然
(
こつぜん
)
として
独
(
ひと
)
り盤を
磨
(
みが
)
きゐる傍に通りて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
対
常用漢字
小3
部首:⼨
7画
“相対”で始まる語句
相対峙
相対死
相対雇
相対間男
相対向
相対坐
相対塁
相対的
相対位置
相対密夫