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相合傘
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あいあいがさ
ふりがな文庫
“
相合傘
(
あいあいがさ
)” の例文
「だから、折入ってお
伴
(
とも
)
が願いたいんだ、亭主と一緒には行けねえところへ、
相合傘
(
あいあいがさ
)
で乗り込もうという寸法が、面白いじゃねえか」
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
相合傘
(
あいあいがさ
)
の竹の
柄元
(
えもと
)
を二人で握りながら、人家の軒下をつたわり、つたわって、やがて
彼方
(
かなた
)
に伊予橋、
此方
(
こなた
)
に大橋を見渡すあたりまで来た時である。
雪の日
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
瓢箪
(
ひょうたん
)
など肩にして芸子と番傘の
相合傘
(
あいあいがさ
)
で帰って来る若い男等が、「ヨウ、勘平
猪打
(
ししうち
)
の段か」などゝ
囃
(
はや
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
私は気持がわるくなったので、うんと馬力をかけて五つ曲り目を駈け上ると、丁度六曲り目というところに、男と女が番傘一本を
相合傘
(
あいあいがさ
)
にして、上ってゆくのを見た。
怪談
(新字新仮名)
/
平山蘆江
(著)
番頭は半ば酔った調子で、「お二人で一本だ、
相合傘
(
あいあいがさ
)
というやつはナカナカ意気なものですから」
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
たとえば山崎長之輔扮するところの仕事師と河原市松扮するところの芸妓とが
相合傘
(
あいあいがさ
)
で雨の中を出て来る底の色もようの道具位にしかつかわれず
栄
(
は
)
えないことおびただしい。
上野界隈
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
その帰り、二人の男が
相合傘
(
あいあいがさ
)
で歩いている。いずれも、その
逝去
(
せいきょ
)
した老大家には、お義理一ぺん、話題は、女に
就
(
つ
)
いての、
極
(
きわ
)
めて不きんしんな事。紋服の初老の大男は、文士。
グッド・バイ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「あひさし」は二人でさすの意、
相合傘
(
あいあいがさ
)
のことであろう。こういう言葉があるかどうか、『大言海』などにも挙げてはないが、
相住
(
あいずみ
)
、
相客
(
あいきゃく
)
等の用例から考えて、当然そう解釈出来る。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
心は
種々
(
いろいろ
)
な処へ、これから奥は、御堂の
背後
(
うしろ
)
、世間の裏へ入る場所なれば、何の
卑怯
(
ひきょう
)
な、
相合傘
(
あいあいがさ
)
に
後
(
おく
)
れは取らぬ、と肩の
聳
(
そび
)
ゆるまで一人で
気競
(
きお
)
うと、雨も
霞
(
かす
)
んで、ヒヤヒヤと
頬
(
ほお
)
に触る。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
足の進まないお光を叱るように追い立てて、栄之丞は妹と
相合傘
(
あいあいがさ
)
で雪の門を出た。
籠釣瓶
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
うす緑の傘のいろが、二人の顔を染め、
相合傘
(
あいあいがさ
)
の姿が美しい。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そのときゃごいっしょに、
相合傘
(
あいあいがさ
)
とはいかがでしょ
まざあ・ぐうす
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
お詣りに行く芸者三吉、およつ、
相合傘
(
あいあいがさ
)
で通る。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
春雨
(
はるさめ
)
の
相合傘
(
あいあいがさ
)
の
柄漏
(
えも
)
りかな
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
実は店つづきの明い燈火に、さすがのわたくしも
相合傘
(
あいあいがさ
)
には少しく恐縮したのである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
お角も、この男にだけは尻尾を押えられていると見えて、しょうことなしに
相合傘
(
あいあいがさ
)
で歩き出してはみたものの、橋を渡りきってしまえば甚三郎の宿は近いのですから、先へ進む気になれません。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「親分、
相合傘
(
あいあいがさ
)
じゃあ
凌
(
しの
)
げそうもありませんぜ」と、善八は云った。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
雛
(
ひな
)
——
女夫雛
(
めおとびな
)
は言うもさらなり。
桜雛
(
さくらびな
)
、
柳雛
(
やなぎびな
)
、
花菜
(
はなな
)
の雛、桃の
花雛
(
はなびな
)
、白と
緋
(
ひ
)
と、
紫
(
ゆかり
)
の色の
菫雛
(
すみれびな
)
。
鄙
(
ひな
)
には、つくし、
鼓草
(
たんぽぽ
)
の雛。
相合傘
(
あいあいがさ
)
の
春雨雛
(
はるさめびな
)
。
小波
(
ささなみ
)
軽く
袖
(
そで
)
で
漕
(
こ
)
ぐ
浅妻船
(
あさづまぶね
)
の
調
(
しらべ
)
の雛。
五人囃子
(
ごにんばやし
)
、
官女
(
かんじょ
)
たち。
雛がたり
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
相
常用漢字
小3
部首:⽬
9画
合
常用漢字
小2
部首:⼝
6画
傘
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
“相合”で始まる語句
相合
相合客
相合舟
相合橋東詰