相伴しやうばん)” の例文
ほそ大根だいこを三四ほんぶらげて、今日けふ御馳走ごちそうつてたとつて、それを宜道ぎだうてもらつてつた。宜道ぎだう宗助そうすけその相伴しやうばんをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
實は生そのものであつて、すべての人、すべての生物は皆之を相伴しやうばんしてゐる。われらは各そのうちの極小さい一片を享けてゐるに過ぎない。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
「掛けてお相伴しやうばんなさいよ、ジエィン。有難いことだ、もう一度のを除くと、これがソーンフィールド莊で食べる最後の食事になるのですよ。」
なにしろ、杉野すぎのいへで、早午飯はやひる二人ふたり牛肉ぎうなべをつゝいてると、ふすまごしに(お相伴しやうばん)といふこゑがしたとおもひな。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
(臨時の客は二宮にぐう大饗だいきやうと同日に摂政関白家が、大臣以下の上達部かんだちめを招いて催す饗宴で、大饗と別に変りがない。)五位も、外の侍たちにまじつて、その残肴ざんかう相伴しやうばんをした。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そして加集はくそのお相伴しやうばんをしたのであつた。
私は駈け下りてお金入れにありつたけのお金を——三シリングか四志ばかりであつたがやつてしまつた。良くも惡くも彼等は私のおめでたのお相伴しやうばんをしなくてはならない。
おそる/\「御料理おんれうりくださるだん冥加みやうがあまさふらへども、此中このなかにてたまはるは、ひら御免ごめんくだされたし」とわびしげに申上まをしあぐれば、幼君えうくん、「なになぐさみなり、辭退じたいせず、其中そのなかにて相伴しやうばんせよ」とつてのおほせ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)