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もくろ
ふりがな文庫
“
目企
(
もくろ
)” の例文
むしろ、自分が
主
(
あるじ
)
の
目企
(
もくろ
)
みの裏を掻いたために、いつまでも、この座敷にはいり
難
(
にく
)
くて、壁の外に
佇
(
たたず
)
んでいる者が気の毒になったので
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、ここに彼が、戦略上の一つの
橋頭堡
(
きょうとうほ
)
を
目企
(
もくろ
)
むにいたったのも、要は、さきに四散した残党たちの結集を
図
(
はか
)
るにあった。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
抑〻
(
そもそも
)
、
其方
(
そのほう
)
が
大
(
だい
)
それた悪事を
目企
(
もくろ
)
みはじめたのは、いうまでもなく、龍山公のお
血統
(
ちすじ
)
の詮議を依頼されてからのこと。
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「……しかしなお、敵に再度の
目企
(
もくろ
)
みがないとはかぎらぬゆえ、千葉ノ介は船坂に
殿軍
(
しんがり
)
して、明日の夜ごろ、院ノ庄に追ッつく手筈となっており申す」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
むしろ彼らは、肚の中で、藤吉郎の完全なる惨敗を、三日の後に予期しながら、その
目企
(
もくろ
)
みの下に巧妙な怠け方をしているといっても過言でなかった。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「ほんとにそうだ。……奥州から何百里、年々の
往還
(
ゆきかえ
)
りも生命がけだ。同じ生命がけなら、でッかい事を
目企
(
もくろ
)
め」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「のみならず、備前の住人児島高徳らが、それと結んで、中国山脈の要地に待ち伏せ、隠岐送りの
龍駕
(
りゅうが
)
を襲って、先帝を奪い
回
(
かえ
)
さんと
目企
(
もくろ
)
んでいるとも聞いた」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
山木家へ
輿入
(
こしい
)
れの夜から今日まで、こういうふうに、事の運んで来たのも、よく考えると、わたくしの勇気というより、何だか、父の
目企
(
もくろ
)
んでいた通りの道を
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「さほどな大事。陪臣ずれの右馬介が、われから
目企
(
もくろ
)
むはずもおざらぬ。
因
(
もと
)
は、お胸に問わせられい」
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と固く期して、自己の細心を以て、敵の中軸へ直接、激突を計っていたことは
慥
(
たし
)
かな
目企
(
もくろ
)
みである。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
誡
(
いまし
)
めた後で、清音は、自分の吉事のように、次のような
目企
(
もくろ
)
みがあることを、彼に告げた。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
直義とおなじ
目企
(
もくろ
)
みを抱く者、腕にかけてもと、悲憤に逸る面々の危険なうずきも見えるので
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
薊は、材木の奥へ、
蟇
(
がま
)
のように身を
避
(
さ
)
けた儘、そこから必死の弁をふるって、山岡屋が和尚鉄の沈めた七百両の金を河から揚げようとしている
目企
(
もくろ
)
みをすっかり
喋舌
(
しゃべ
)
り立てた。
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
兄者人
(
あんじゃひと
)
。——常陸の
蒜間
(
ひるま
)
辺に、敵方の残党が隠れて、何やら
目企
(
もくろ
)
んでいるといいますぞ」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、値十万貫もする“
生辰綱
(
たんじょういわい
)
”なんてものを、このガツガツと飢えている世に、
北京
(
ほっけい
)
から都まで、無事に送ろうなどという
目企
(
もくろ
)
みからして、自体無理なはなしでござんすよ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
目企
(
もくろ
)
むところは、革命にはちがいないが、摂関政治への私怨であり、その改革であった。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ゆうべ
晩
(
おそ
)
く、筑波の者が、門を叩いて、告げに来てくれたのです。——羽鳥の良兼が、山に兵を集めて、水守の良正の方と、さかんに、早馬を
交
(
か
)
わして何か
目企
(
もくろ
)
んでいる様子だと」
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徳川系の諸侯が何を
目企
(
もくろ
)
みつつあるか、島津や伊達などの惑星が、その中にどう厳存しているか——などという大きな時勢への眼は、改めて向けてみたこともないし、それらの常識は
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そんな方ばかり
目企
(
もくろ
)
んでいないで、トムの悩みを第一義に考えなくッちゃあ」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つまり、その二つを、一挙に
併
(
あわ
)
せてやろうという
目企
(
もくろ
)
みだが、ぜひ君ら三兄弟にも、その仕事にのッてもらいたいという
晁蓋
(
ちょうがい
)
の切なる望み。……で、かくいう呉用が誘いだしに参った次第だ
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
で、彼女の
目企
(
もくろ
)
みは見事に
外
(
はず
)
れましたが、今度はかえって次郎の方から
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
高麗村
(
こまむら
)
の放浪を最後にして、にわかに、勘気をうけている江戸表の上屋敷へ帰って来たのには、何か
目企
(
もくろ
)
みがある事にちがいないが、上屋敷ではその前に、
洞白
(
どうはく
)
の
仮面
(
めん
)
が届いておりましたので
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
徒
(
いたずら
)
に乱を起こして天下の
簒奪
(
さんだつ
)
を
目企
(
もくろ
)
んでいるとは決して思っていない。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうした若い人達が、新しい社会を
興
(
おこ
)
すために、幕府
顛覆
(
てんぷく
)
を
目企
(
もくろ
)
んでいることも、少し分ってきた。百姓の食えない事が、結局、藩主の所為である前に、幕府の制度がさせている事であるのも分った。
脚
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
義貞は怒って「そんなことを
目企
(
もくろ
)
むやつは誰か」と、つぶやき
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼らのそんな
目企
(
もくろ
)
みはゆるされなかった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
企
常用漢字
中学
部首:⼈
6画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論