理由いはれ)” の例文
其上そのうへ仕事しごとをさするにあらず、日夜にちやまゝにあそばせて、食物しよくもつ望次第のぞみしだいうみのもの、やまのもの、ふにまかせてあたへむに、かなし理由いはれきはずなり。
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何でも恋愛咄で暗に自分と嬢様の関係に擬したものださうだ。加之しかも其著作した理由いはれ因縁を仄めかして持つて来たから嬢様も呆れてお了ひなすつた。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
理由いはれなくして囚人の葬式だナと、不吉極まる觀察を下すなどは、此際隨分突飛な話である。が、自分には其理由いはれがある。——たしか十一歳の時であつた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
おれは九等官でしかあり得ないなんていふ理由いはれが何處にあるんだ?
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
私の日本料理、日本酒嫌ひの理由いはれはさう云ふ次第です。
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
……それは餘りに理由いはれないことであつた。
子をつれて (旧字旧仮名) / 葛西善蔵(著)
理由いはれなくして囚人の葬式だナと、不吉極まる観察を下すなどは、此際随分突飛な話である。が、自分には其理由がある。——たしか十一歳の時であつた。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
如何いかんとなれば、乘客等じようかくらしかころしてじんさむとせし、この大聖人だいせいじんとく宏大くわうだいなる、てん報酬はうしうとしてかれ水難すゐなんあたふべき理由いはれのあらざるをだんじ、かゝ聖僧せいそうともにあるものは、この結縁けちえんりて
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
希有けうことくものぢや、理由いはれは、とたづねると、老人らうじん返事へんじには
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)