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せんべいや
ふりがな文庫
“
煎餅屋
(
せんべいや
)” の例文
冷
(
ひや
)
の牛乳を一合飮み、
褞袍
(
どてら
)
の上にマントを羽織り、間借して居る森川町新坂上の
煎餅屋
(
せんべいや
)
の屋根裏を出て、大學正門前から電車に乘つた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
さて、その次に来た弟子は日本橋馬喰町の裏町に玉村という餅菓子屋がありましたが、その直ぐ隣りの
煎餅屋
(
せんべいや
)
の
悴
(
せがれ
)
長次郎という若者でした。
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
名物の
煎餅屋
(
せんべいや
)
の娘はどうしたか知ら。一時
跡方
(
あとかた
)
もなく
消失
(
きえう
)
せてしまった
二十歳時分
(
はたちじぶん
)
の記憶を呼び返そうと、自分はきょろきょろしながら歩く。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
向うの
煎餅屋
(
せんべいや
)
の娘が、二つになる男の子を、お銀のところへ連れ込んで来て、不幸な自分の身のうえを話しながら、子供の顔を眺めて泣いていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そこで
煎餅屋
(
せんべいや
)
をしていたのであるが、あの夜の火で焼けだされた。そのとき妻の妹を死なせたそうであるが、その始末もせずに勘さんは
下総
(
しもうさ
)
の
古河
(
こが
)
へとんでいった。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
坂を下り切ったところに、お
煎餅屋
(
せんべいや
)
がある。その店に二台ばかり、お菓子の
自働
(
じどう
)
販売器があった。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
引つくり返されて、
煎餅屋
(
せんべいや
)
のお神さんブウブウ言ひ乍ら、半分くらゐ拾ひ込んだところへ俺が歸つたんだ。あんな粗相をするのは、この路地の中に一人も住んぢや居ないよ
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
トンツクと
団扇太鼓
(
うちわだいこ
)
が鳴りだしたのは、
法華宗
(
ほっけっしゅう
)
にこって、かたときもそれを手ばなさないお
煎餅屋
(
せんべいや
)
のおかみさんが、ここへもそれを持ってきて、やにわにたたきはじめたのだ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
まだ並んでいる家の中で、店を開けて商売をしているのは
蕎麦屋
(
そばや
)
の蓮玉庵と
煎餅屋
(
せんべいや
)
と、その先きのもう広小路の角に近い処の十三屋と云う
櫛屋
(
くしや
)
との外には無かった時代である。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わたしは茶屋と茶屋とのあいだにある
煎餅屋
(
せんべいや
)
の前を通ると、ちょうど
今日
(
こんにち
)
の運動場で売っているような辻占入りの
八橋
(
やつはし
)
を籠に入れて、俳優の
紋所
(
もんどころ
)
を柿色や赤や青で染め出した紙につつんで
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
両国
(
りょうごく
)
の
広小路
(
ひろこうじ
)
に沿うて石を敷いた小路には小間物屋
袋物屋
(
ふくろものや
)
煎餅屋
(
せんべいや
)
など
種々
(
しゅじゅ
)
なる
小売店
(
こうりみせ
)
の賑う有様、
正
(
まさ
)
しく屋根のない
勧工場
(
かんこうば
)
の廊下と見られる。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
引っくり返されて、
煎餅屋
(
せんべいや
)
のお
神
(
かみ
)
さんブウブウ言いながら、半分くらい拾い込んだところへ俺が帰ったんだ。あんな粗相をするのは、この路地の中に一人も住んじゃいないよ
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二月の中旬、圭一郎と千登世とは、それは思ひもそめぬ些細な突發的な出來事から、間借してゐる森川町新坂上の
煎餅屋
(
せんべいや
)
の二階を、どうしても見棄てねばならぬ羽目に陷つた。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「そのときあたしは八つで、深川の八幡前にある
煎餅屋
(
せんべいや
)
へ子守りにいってました」とおえいは云った、「そして或るとき子守りをしながら、姉さんの奉公先へ訪ねていって、その話を聞いたんです」
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その
後
(
ご
)
父親が死んだ折には
差当
(
さしあた
)
り頼りのない母親は橋場の御新造の世話で今の
煎餅屋
(
せんべいや
)
を出したような関係もあり
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「親分、赤い痣のある男が
向柳原
(
むこうやなぎわら
)
の
煎餅屋
(
せんべいや
)
に居ますぜ」
銭形平次捕物控:039 赤い痣
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其後
(
そのご
)
父親が死んだ
折
(
をり
)
には
差当
(
さしあた
)
り頼りのない母親は
橋場
(
はしば
)
の
御新造
(
ごしんぞ
)
の世話で今の
煎餅屋
(
せんべいや
)
を出したやうな関係もあり
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
商店の中で、シャツ、ヱプロンを吊した雑貨店、
煎餅屋
(
せんべいや
)
、おもちゃ屋、下駄屋。その中でも殊に
灯
(
あかり
)
のあかるいせいでもあるか、薬屋の店が幾軒もあるように思われた。
寺じまの記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし口へ出していうほどの事でもないので、何か話題の変化をと望む
矢先
(
やさき
)
へ、自然に思い出されたのは長告が子供の時分の遊び友達でお
糸
(
いと
)
といった
煎餅屋
(
せんべいや
)
の娘の事である。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
しかし口へ出して
云
(
い
)
ふほどの事でもないので、
何
(
なに
)
か話題の変化をと望む
矢先
(
やさき
)
へ、自然に思ひ出されたのは
長吉
(
ちやうきち
)
が子供の
時分
(
じぶん
)
の遊び友達でお
糸
(
いと
)
と
云
(
い
)
つた
煎餅屋
(
せんべいや
)
の娘の事である。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
煎
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
餅
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
屋
常用漢字
小3
部首:⼫
9画
“煎餅屋”で始まる語句
煎餅屋渡世