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濃霧
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のうむ
ふりがな文庫
“
濃霧
(
のうむ
)” の例文
樹木
(
じゆもく
)
は
皆
(
みな
)
互
(
たがひ
)
に
泣
(
な
)
いて
囁
(
さゝや
)
きながら、
幾
(
いく
)
らか
日
(
ひ
)
の
明
(
あか
)
るさをも
妨
(
さまた
)
げて
居
(
ゐ
)
る
其
(
そ
)
の
濃霧
(
のうむ
)
から
遁
(
のが
)
れようとするやうに
間斷
(
かんだん
)
なく
騷
(
さわ
)
いだ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
……これが迷信というものだかどうだか知らないが、自分の頭の中まで
濃霧
(
のうむ
)
に
鎖
(
とざ
)
されたような気になって……。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
だが第二の
失望
(
しつぼう
)
がきた。夜は明けたが
濃霧
(
のうむ
)
が
煙幕
(
えんまく
)
のごとくとざして、一寸先も見えない、むろん陸地の影など、見分くべくもない。しかもいぜんとして風はやまぬ。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そんな雨がちょっと
小止
(
おや
)
みになり、峠の方が薄明るくなって、そのまま晴れ上るかと思うと、峠の向側からやっと
匍
(
は
)
い上って来たように見える
濃霧
(
のうむ
)
が、峠の上方一面にかぶさり
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
と、きいたが、すぐ側の馬上の影さえ、たれとも知れないほどな
濃霧
(
のうむ
)
である。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
濃霧
(
のうむ
)
はそそぐ……
香
(
か
)
の
腐蝕
(
ふしよく
)
、
肉
(
にく
)
の
衰頽
(
すゐたい
)
、——
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「どうもよくわからない。実はこっちも皆、眼が見えないんだ。わたしやマルラはもちろん、船客たちも眼が見えないといってさわいでいる。しかしほんとうに眼が見えなくなったのか、それともひどい
濃霧
(
のうむ
)
につつまれたのか、それはどっちかわからない」
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
爺
(
ぢい
)
げお
茶
(
ちや
)
入
(
せ
)
えべえ」おつぎは
立
(
た
)
つて
茶碗
(
ちやわん
)
を
洗
(
あら
)
つた。
卯平
(
うへい
)
は
濃霧
(
のうむ
)
に
塞
(
ふさ
)
がれた
森
(
もり
)
の
中
(
なか
)
へ
踏込
(
ふみこ
)
むやうな一
種
(
しゆ
)
の
不安
(
ふあん
)
を
感
(
かん
)
じつゝ
來
(
き
)
たのであつたが、
彼
(
かれ
)
はおつぎの
仕打
(
しうち
)
に
心
(
こゝろ
)
が
晴々
(
せい/\
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
じっさい、べきべきたる
濃霧
(
のうむ
)
の
白
(
はく
)
一
白
(
ぱく
)
よりほかは、なにものも見えないのである。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
濃霧
(
のうむ
)
はそそぐ……いつしかに虫も
盲
(
し
)
ひつつ
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
濃霧
(
のうむ
)
はそそぐ……声もなき声の
密語
(
みつご
)
や。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
大寂静
(
だいじやくじやう
)
の空高く
濃霧
(
のうむ
)
をわけて
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
濃
常用漢字
中学
部首:⽔
16画
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
“濃霧”で始まる語句
濃霧帯