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此店
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ここ
ふりがな文庫
“
此店
(
ここ
)” の例文
磯は
少時
(
しばら
)
く
此店
(
ここ
)
の前を
迂路々々
(
うろうろ
)
していたが急に店の軒下に積である炭俵の
一個
(
ひとつ
)
をひょいと肩に乗て直ぐ横の
田甫道
(
たんぼみち
)
に
外
(
それ
)
て了った。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
見損
(
みそこ
)
なっちゃあいけねえぜ、おい。
此店
(
ここ
)
のまんじゅうみてえに、白ぶくれに
膨
(
ふく
)
れていやがって。
那珂川原
(
なかがわら
)
の
勘太郎
(
かんたろう
)
を知らねえのか、てめえは」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ホウ、それは
愁傷
(
しゅうしょう
)
であったな。——が、
此店
(
ここ
)
へ入ったとき、綺麗な娘が居たように思うが——あれは誰だ」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この男は一週間ばかり前からちょいちょい
此店
(
ここ
)
へ来て飯を喰ったり酒を飲んだりする男で、お金もたんまり持っているらしく、
此店
(
ここ
)
に来る客人の
中
(
うち
)
では上々の部であった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もう朝じゃあない、
此店
(
ここ
)
では商業をはじめたな、と思ったときに戸はノックされた。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
その人は
高村東雲
(
たかむらとううん
)
という
方
(
かた
)
だが、
久方
(
ひさかた
)
ぶりに
此店
(
ここ
)
へお
出
(
い
)
でなすって、安さん、誰か一人
好
(
い
)
い弟子を欲しいんだが、心当りはあるまいか、一つ世話をしてくれないかと頼んで行ったんだ。
幕末維新懐古談:03 安床の「安さん」の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
此店
(
ここ
)
で草履を見着けたから入ったが、
小児
(
こども
)
のうち覚えた、こんな店で売っている竹の皮、
藁
(
わら
)
の草履などは一足もない。極く雑なのでも裏つきで、鼻緒が流行のいちまつと
洒落
(
しゃ
)
れている。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
妾
(
あたき
)
の爺様の代に
此店
(
ここ
)
の先代という人にうまうま一杯
欺
(
は
)
められて——ああ口惜しい
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ホウ、それは
愁傷
(
しうしやう
)
であつたな。——が、
此店
(
ここ
)
へ入つた時、綺麗な娘が居たやうに思ふが——あれは誰だ」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「およしなさい、帳場だの、お客たちが、笑っているじゃありませんか。とにかく
此店
(
ここ
)
を出ましょうよ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
帰路
(
かえりみち
)
に炭屋がある。この店は酒も
薪
(
まき
)
も
量炭
(
はかりずみ
)
も売り、大庭もこの店から炭薪を取り、お源も
此店
(
ここ
)
へ炭を買いに来るのである。新開地は店を早く
終
(
しま
)
うのでこの店も
最早
(
もう
)
閉っていた。
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「よく御縁がござります。へへへ、手前は
此店
(
ここ
)
の手代で」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「もう、要らないわ、
此店
(
ここ
)
へ返して、ね。」
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、そんな関係から、妾のお光さんは、南京街の
李鴻章
(
りこうしょう
)
の地下室も愚連隊の巣にしてしまい、
此店
(
ここ
)
の地底倉庫も、みんなとの会合場所に利用する特権をもっている。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
此店
(
ここ
)
じゃ生物は扱わないだろうな」
銭形平次捕物控:047 どんど焼き
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
わたしは、あのお侍が嫌いでならないのに、茶屋の持主は、あのお侍と遊びにゆけと、
此店
(
ここ
)
が閉まるとすすめるのです。あなたの家へ隠してくれませんか。女ですから水仕事や
綻
(
ほころ
)
びを
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いつから
此店
(
ここ
)
に居るんだ」
銭形平次捕物控:089 百四十四夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
右衛門七は
書
(
ほん
)
を見ているし、自分は往来を眺めていたが——今ひょいと気がついて、
此店
(
ここ
)
の
暖簾
(
のれん
)
の蔭をのぞくと、一人の編笠を
被
(
かぶ
)
った侍が
佇
(
たたず
)
んでいて、いつ迄も、凝と店の中を見入っている——
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それがまだ今日
此店
(
ここ
)
へ見えませんようなわけで」
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
店
常用漢字
小2
部首:⼴
8画
“此”で始まる語句
此方
此
此処
此家
此奴
此處
此間
此所
此頃
此様