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権衡
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けんこう
ふりがな文庫
“
権衡
(
けんこう
)” の例文
旧字:
權衡
守随
(
しゅずい
)
兵三郎なる者甲府から江戸に入って、関東八州の
権衡
(
けんこう
)
を
掌
(
つかさど
)
り、のち徳川家康の
御朱印
(
ごしゅいん
)
を頂いて東日本三十三ヶ国の秤の管理専売を一手に
掌握
(
しょうあく
)
し
銭形平次捕物控:146 秤座政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
さようしからば顔を洗って出直しましょうかな。——ええ——これから鼻と顔の
権衡
(
けんこう
)
に
一言
(
いちごん
)
論及したいと思います。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかるに人はその身体、ことに神経の構造により、一方の智力がことさらに発達し、その他の力たとえば意志がこの智力と
権衡
(
けんこう
)
がとれぬときは
気弱
(
きよわ
)
になる。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
独り金持が勝手に
奢
(
おご
)
るのみならず、同じ一軒の家でも亭主が多く食いまた酒に使い、
外
(
ほか
)
の食物に使う生計費が
権衡
(
けんこう
)
を失している。消費の方法も当を得ていない。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「で、
私
(
わし
)
を先生という日になると、勢い家内の事は奥さんと言わんと
権衡
(
けんこう
)
が取れん。先生に対する奥さんじゃ。な、
私
(
わし
)
が先生、家内が奥さん、——宜しいか?」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
形は
権衡
(
けんこう
)
の問題であるからこれは少しつり合いが変だと
直
(
す
)
ぐ
素人
(
しろうと
)
にも目につく、日本人の顔の大きさは彼女の洋装において一等皆さんの笑いの
的
(
まと
)
となるのである
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
新吉自身の家柄との
権衡
(
けんこう
)
から言えば、あまりドッとした
縁辺
(
えんぺん
)
でもなかった。新吉の
家
(
うち
)
は、今はすっかり零落しているけれど、村では筋目正しい
家
(
いえ
)
の一ツであった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
朝旨に
戻
(
もと
)
らず、三条の教憲を
確
(
しか
)
と踏まえて、正を行ない、邪をしりぞけ、
権衡
(
けんこう
)
の狂わないところに心底を落着せしめるなら、しいて天理に戻るということもあるまい。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
而
(
しこう
)
してその智力は
権衡
(
けんこう
)
もって
量
(
はか
)
るべきものに非ざれば、その増減を察すること、はなはだ
難
(
かた
)
し。
学者安心論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
塔身の高さがその広さに対し最低限の
権衡
(
けんこう
)
を示していること、あるいは上に行くほど縮まって行く軒のうちで第二と第四がこころもち多く引っ込み、従って上部にとがって行く塔勢が
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
欄間
(
らんま
)
、天井等の角度は、著しく
平坦
(
へいたん
)
にして、窓、垣、池などに咲く花は人物家屋に比してその
権衡
(
けんこう
)
を失したれば、桜花は常に
牡丹
(
ぼたん
)
の如く大きく、
河骨
(
こうほね
)
の葉はさながら熱帯産の
芭蕉
(
ばしょう
)
の如し。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
締った体の
権衡
(
けんこう
)
が整っていて、顔も美しい。若し
眼窩
(
がんか
)
の縁を際立たせたら、西洋の絵で見る Vesta のようになるだろう。初め膳を持って出て配った時から、僕の注意を
惹
(
ひ
)
いた女である。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
専門以外の部門に無識にして
無頓着
(
むとんじゃく
)
なるがため、自己研究の題目と他人教授の課業との
権衡
(
けんこう
)
を見るの明なきがため、
往々
(
おうおう
)
わが範囲以外に飛び
超
(
こ
)
えて、わが学問の有効を
作物の批評
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
中央に支柱が立っていて、両方の
皿
(
さら
)
が
権衡
(
けんこう
)
を取るようになっている。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“権衡”の意味
《名詞》
はかりの錘と竿。
釣り合い。均衡。平均。
(出典:Wiktionary)
権
常用漢字
小6
部首:⽊
15画
衡
常用漢字
中学
部首:⾏
16画
“権”で始まる語句
権
権柄
権化
権幕
権現
権威
権利
権妻
権力
権高