トップ
>
杜撰
>
ずさん
ふりがな文庫
“
杜撰
(
ずさん
)” の例文
従って、表面のみに陶酔するような
杜撰
(
ずさん
)
から救われるようだ。この筆者は茶道第一の名家、千利休を相承する表千家三代
覚々斎原叟
(
かくかくさいげんそう
)
である。
覚々斎原叟の書
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
とあるが如き余り
杜撰
(
ずさん
)
なるべし。用筆簡淡の四字は光琳の画を形容し得ざるのみならずむしろ光琳風の如き画の感じを少しも含まざるなり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
然レドモソノ考証
研覈
(
けんかく
)
ノ
如何
(
いかん
)
ニ至ツテハ彼ノ
最
(
もっとも
)
詳確ニシテ我ノ甚シク
杜撰
(
ずさん
)
ナルヤ
固
(
もと
)
ヨリ日ヲ同ジクシテ語ルベキニ
非
(
あ
)
ラズ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
新聞に出ているのは、これだけの事実を切り縮めたものでかなり
杜撰
(
ずさん
)
なところが多いばかりでなく、事件の核心にはちっとも触れていなかった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
かく著者が樗を「おうち」、臭椿を「くそつばき」とするに至っては
仮令
(
たとい
)
そこにどんな
拠
(
よりどころ
)
があったとしても、それは
杜撰
(
ずさん
)
の甚だしいものである。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
▼ もっと見る
原図そのものからして、まだ地球の全貌図としては、はなはだ幼稚
杜撰
(
ずさん
)
なものであったことはいうまでもない。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひどい
杜撰
(
ずさん
)
さですね。何でもこんな風です。本年の新年号は創作欄保守です。若い作家、婦人作家、実にかいていず、私が二つ小説かいているのが例外です。
獄中への手紙:06 一九三九年(昭和十四年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
杜撰
(
ずさん
)
ながら自分の考では、世間一般の科学的精神が、情操の勢力より比較的強くなって、平衡を失いかけるや否や、文壇では情操文学が隆起して参りますし
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
邦人が一汎に和漢書よりは精確と想う欧州書にもこんな
杜撰
(
ずさん
)
が
往々
(
まま
)
あるから孫引きは危険千万と注意し置く。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
第二から第一へ移らないと順当らしくないかね? 何うも君達はその通り
頭脳
(
あたま
)
が
杜撰
(
ずさん
)
だから危いよ。
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
甚だ
杜撰
(
ずさん
)
なディレッタントの
囈語
(
たわごと
)
のようなものであるが、一科学者の立場から見た元禄の文豪の一つの側面観として、多少の参考ないしはお笑い草ともならば大幸である。
西鶴と科学
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
いまの児童の読物のあまりに
杜撰
(
ずさん
)
なる、不真面目なる、そして調子の低きなどは、児童の人格を造る上に幾何の影響あるかを考えて、
転
(
うた
)
た感慨なからざるを得ないのであります。
新童話論
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
貴下はこんな
杜撰
(
ずさん
)
な捜索をしていながら、なぜ僕を夫人殺しなどとハッキリ呼ぶのですか
人間灰
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私の原稿を読んで仮名や誤字を訂正してくれたが私が又今もつて漢字だの仮名遣ひなど
杜撰
(
ずさん
)
極る知識の持主なのだから、あんまり沢山誤字があつたり仮名遣ひが間違つてゐたりして
酒のあとさき
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
何も今更翻訳の
杜撰
(
ずさん
)
さを攻撃するためではなく、かういふ翻訳を通して、西洋の戯曲がわかつたとか、わからないとか云つて、納まつてゐるのは間違ひだといふ一点を指摘したいのである。
舞台の言葉
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
杜撰
(
ずさん
)
きわまる勅といわざるをえない。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
ある人いふ
勲位
(
くんい
)
官名の肩書をふりまはして何々養生法などいふ
杜撰
(
ずさん
)
の説をなし世人を毒するは医界の罪人といはざるべからず
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「木曾殿と背中あはせの寒さかな」は芭蕉の句ではなく伊勢の
又玄
(
ゆうげん
)
という俳人の句なること、幻住庵は同寺内ではないことなど、ぼくの
杜撰
(
ずさん
)
もここに訂正しておく。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでこの甚だ
杜撰
(
ずさん
)
な比較が万一この方面の専門家の真面目な研究のヒントにでもならばと思って、思い付いたままを誌してみた次第である。僭越の罪は
宥
(
ゆる
)
してもらいたい。
短歌の詩形
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
アスファルト大道と云うものの、その二十間道路の上には、どこもかしこも多量の泥が流れていて、勾配の計算が
杜撰
(
ずさん
)
にされた証拠に、あるところでは、大水溜りがあった。
播州平野
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
その頃の学者博物学に暗かった
杜撰
(
ずさん
)
で、今も北国や紀州の一部である鮫をワニと呼ぶ通り
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
描写するのに、八九月頃の暴風雨や
海嘯
(
つなみ
)
のことを写さないのは
杜撰
(
ずさん
)
の
甚
(
はなはだ
)
しいものだ。作者先生のお通いなすった
甲子楼
(
きのえねろう
)
の時計台が吹倒されたのも一度や二度のことではなかろう。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
東京人の舌は、そう言ってはわるいが、すこぶる
杜撰
(
ずさん
)
なものである。落着いた味、静かな味、淡い味を知るには、あまりにも荒っぽすぎる。だから東京好みは俗になりやすいのである。
昆布とろ
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
随分
杜撰
(
ずさん
)
な広告を出したもので、この広告のために私は、それから
後
(
のち
)
一箇月ばかりの間というもの毎日毎日私の帰りを待ち受けている浮浪人や乞食同様の連中に悩まされ続けたものであった。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
杜撰
(
ずさん
)
ながら、一応自分の愚見だけを述べて、参考にしたい。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
といふ句を
碧梧桐
(
へきごとう
)
が評したる末に「かつ
茂山
(
もざん
)
をシゲヤマと読ますこと如何にも窮せずや」とあり。されどこは
杜撰
(
ずさん
)
なる評なり。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
秋竹は俳句を善くする者なり。俳句に堪能なる秋竹が俳句の集を選びたるは似つかはしき事にして、素人の
杜撰
(
ずさん
)
なるものと同日に見るべからず。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
随分
杜撰
(
ずさん
)
なやつもある。英雄人を
欺
(
あざむ
)
くの手段であらう。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
杜
漢検準1級
部首:⽊
7画
撰
漢検準1級
部首:⼿
15画
“杜”で始まる語句
杜
杜鵑
杜絶
杜若
杜松
杜甫
杜氏
杜切
杜国
杜鵑花