星霜せいさう)” の例文
身長みのたけしやくちかく、灰色はいいろはりごと逆立さかだち、するどつめあらはして、スツと屹立つゝたつた有樣ありさまは、幾百十年いくひやくじふねん星霜せいさうこの深林しんりん棲暮すみくらしたものやらわからぬ。
僕はこのアルントを郁文堂いくぶんだうに売り金六円にかへたるを記憶す、時来じらい星霜せいさうけみすること十余、僕のアルントを知らざることは少しも当時に異ることなし。
その頃の赤門生活 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
引立て傳馬町へと送られしは心地こゝちよくこそ見えたりけり嗚呼あゝてんなるかなめいなるかな村井長庵弟十兵衞を殺害せつがいせし寶永七年八月廿八日の事成るに八ヶ年の星霜せいさう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それから五ねん星霜せいさう※去すぎさつたが、かれ消息せうそくすこしもきこえません、其間そのあひだわたくし一日いちにちでもかれ健康けんこうと、かれ大事業だいじげふ成功せいこうとをいのらぬときはないのです。
僕はこの映画を見ながら、ヴイヨンの次第に大詩人になつた三百年の星霜せいさうを数へ、「蓋棺がいくわんの後」などと云ふ言葉の怪しいことを考へずにはゐられなかつた。
知るの才智さいちにして忽ち其奧儀をも極め古今無双ここんむさうの達人となりし所に早くも八ヶ年の星霜せいさうを送りけるうち今は門弟中も大先生より小先生の教へ方が宜等よきなどとて皆小先生々々々と半四郎を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
入るうち月日つきひ關守せきもりなくはや十八年の星霜せいさう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)