明渡あけわた)” の例文
てら行列ぎやうれつたゞしく出仕有に程なく夜も明渡あけわたり役人方そろはれしかばやゝあつて嘉川主税之助一件の者共呼込よびこみになり武家の分は玄關にて大小を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『あ……ありがとう存じまする。……それでは、私共のただ今住んでいる店は、彦兵衛さんの云うように、今が今、明渡あけわたさないでも、よろしゅうございましょうか』
鍋島甲斐守 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父が流行はやりの長い刀をぶっこんでいた時分、明渡あけわたされた江戸城の守備についていた時、苑内紅葉山もみじやまに配置してある鹿の置物をねらうちにしたものもあるとかいうほどだから
旧聞日本橋:17 牢屋の原 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ほほ、わたしはもう災難と申します。災難ですわ、貴下あなた。あれが座敷へでも入りますか、知らないでいて御覧なさいまし、当分うち明渡あけわたして、何処どこかへ参らなければなりませんの。
春昼後刻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
エヒミチはかへつてれば自分じぶん位置ゐちいまはドクトル、ハヾトフのわたつて、病院びやうゐん官宅くわんたくはや明渡あけわたすのをハヾトフはつてゐるといふとのことまた下女げぢよづけてゐた醜婦しうふは、あひだから
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
乘出し蒲原かんばら驛外しゆくはづれにて夜も明渡あけわた辨慶べんけい清水六代御前松並木も打越て岩淵いはぶちの渡りに來り暫時しばし休息なしやがて富士川の逆卷さかまく水も押渡り岩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
エヒミチはかえってれば自分じぶん位置いちいまはドクトル、ハバトフのわたって、病院びょういん官宅かんたくはや明渡あけわたすのをハバトフはっているというとのこと、またその下女げじょづけていた醜婦しゅうふは、このあいだから
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)