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きう
能く一行を
輔助せしことを
謝し、年々新発見にかかる
文珠菩薩の祭日には相会して
旧を
語らんことを
約し、
袂を
分つこととはなりぬ。
其内腰に
挟んだ、
煮染めたやうな、なへ/\の
手拭を
抜いて
克明に
刻んだ
額の
皺の
汗を
拭いて、
親仁は
之で
可しといふ
気組、
再び
前へ
廻つたが、
旧に
依つて
貧乏動もしないので
大食の
習慣今日に
至りても未だ全く
旧に
復せざるなり、食事
了れば
例により鹽原巡査の
落語あり、衆拍手して之を
聞く、為めに
労を
慰めて
横臥すれば一天
墨の如く、
雨滴点々木葉を
乱打し来る