日増ひま)” の例文
そのというものは日増ひましにうみれて、おきほうくろうございました。毎年まいねんふゆになると、このみなとからふね航路こうろがとだえます。
黒い旗物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
また安全な場所にしよう、焼いてはあいすまぬという共同の念慮が、日増ひましに強くなってきているということだけは、想像することができるのである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
隣近所では病人が日増ひましに悪くなるのを知った。医師いしゃが毎日かばんを下げてやって来る。荻生さんが心配そうな顔をしてちょいちょい裏からはいって来る。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
伯母樣おばさま何處どこやらせがえまする、心配しんぱいのあまりわづらふてくださりますな、れでも日増ひましにほう御座ござんすか、手紙てがみ樣子やうすけどねばにかゝりて、今日けふのおいとまちにつてやつとのこと
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
子供こどもは、日増ひましにつのる病勢びょうせいのために、手足てあしはやせて、まったくの、ほねかわばかりになって、るさえ痛々いたいたしかったのでした。
雲と子守歌 (新字新仮名) / 小川未明(著)