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ひよりみ
ふりがな文庫
“
日和見
(
ひよりみ
)” の例文
……だから折衷主義を「
日和見
(
ひよりみ
)
主義」というのである……ほぼ間違いなく予定日数を約束することもできて、汽船より安い賃銀で
黒船前後
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
それもここ二、三年は何とか
日和見
(
ひよりみ
)
的態度で
糊塗
(
こと
)
して来たが、いまや急なる風雲はもう一日もそれをゆるさなくなって来たのであった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
みんな
日和見
(
ひよりみ
)
主義であります。みんな「臆病な苦労」をしています。けれども、私たちは、それを決定的な汚点だとは、ちっとも思いません。
自信の無さ
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
私たちは、どんな裏切者が出たり、どんな
日和見
(
ひよりみ
)
主義者が出ても、正しい線はそれらの中を赤く太く明確に一線を引いていることを確信した。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
薄っぺらの、雷同の、人気取りの、おたいこ持ちの、
日和見
(
ひよりみ
)
の、風吹き次第の、小股すくいの、あやつりの、小人雑輩の、
紛々擾々
(
ふんぷんじょうじょう
)
たる中へ
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
一般の藩主や藩臣にいたつては、まつたく
日和見
(
ひよりみ
)
主義の小人物ばかりであつた。卑怯な人びとであつた。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
これを戦争以来の欧米諸国に
漲
(
みなぎ
)
る急激な思想の推移に比べると日本人の生活は甚だしく微温な、退屈な、現状維持的な、
日和見
(
ひよりみ
)
的な、弛緩した外貌を呈しております。
三面一体の生活へ
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
巧みな
日和見
(
ひよりみ
)
だと言われてるクンツは、
厳
(
おごそ
)
かに空を見調べて——(彼もまたシュルツと同じく、自分らの小さな土地の晴れ晴れとした
景色
(
けしき
)
をクリストフに見せたかったのである)
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
信西入道とても
日和見
(
ひよりみ
)
の横着者である。つまりがなんらかの方法でかの頼長の鼻をくじいてさえしまえば、余の人びとは手の裏をかえしたようにこちらの味方になるのは見え透いている。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
九仭
(
きゅうじん
)
の功を
一簣
(
いっき
)
に
虧
(
か
)
く。なあ、そのままずらかりゃ怪我あねえのに、凝っては思案に何とやら、与惣公と
化込
(
ばけこ
)
んで一、二日
日和見
(
ひよりみ
)
すべえとしゃれたのが破滅の因、のう勘、
匹夫
(
ひっぷ
)
の
浅智慧
(
あさぢえ
)
、はっはっは。
釘抜藤吉捕物覚書:04 槍祭夏の夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして、どっちが得だか
日和見
(
ひよりみ
)
をしているのさ。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
これへ、秋月寂心の兵数千も味方に
参
(
さん
)
じ、
日和見
(
ひよりみ
)
だった深堀、龍造寺、
相良
(
さがら
)
、杉、
富光
(
とみみつ
)
などの小武族も、ぞくぞく陣へ
投
(
とう
)
じて来る。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何より「僚友会」のような見せかけの味方——右翼
日和見
(
ひよりみ
)
主義者と闘って行かなければならぬ。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
日和見
(
ひよりみ
)
、そのうちに芥川賞
素通
(
すどおり
)
して、拙稿返送という憂目、再三ならずございました。
創生記
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それで、
日和見
(
ひよりみ
)
の全国の大名どもは、朝廷側についてしまったのであった。
天皇:誰が日本民族の主人であるか
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
「そうよな。ま、当分
日和見
(
ひよりみ
)
だ」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「そんなものを、おまえは初めから計算に入れていたのか。……あらまし、かれらは
日和見
(
ひよりみ
)
主義。そう見ておれば間違いはない」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私は、それを極左的だというのは、
卑怯
(
ひきょう
)
な右翼
日和見
(
ひよりみ
)
主義者が自分の実践上での敗北主義をゴマ化すために、相手に投げつける言葉でしかないと、須山に云った。須山は「そうだ!」と云った。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「その佐々木は、
疾
(
と
)
くにこの瀬田攻めに参加しておるはずの者。またも
日和見
(
ひよりみ
)
かもしれん。元々、風上にはおけぬやつだ。あてにはするな」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何のかのと、例外なく支障をならべたり、日延べを策したり。……それをもってみるも、なお
首鼠
(
しゅそ
)
両端の
日和見
(
ひよりみ
)
がいかに多いかがわかりますて
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
詐謀
(
さぼう
)
、
日和見
(
ひよりみ
)
の偽装でこれまでようやく通って来た老臣たちも、すわと怖れをなし、あわれ主家は主家、彼らは彼ら、一夜のうちに御着を捨てて
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
思うに、ここの味方内から離反者が
簇出
(
ぞくしゅつ
)
したばかりでなく、
摂
(
せつ
)
、
河
(
か
)
、
泉
(
せん
)
いったいにわたる
日和見
(
ひよりみ
)
的な武族もまた
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしとうぶん、
人穴城
(
ひとあなじょう
)
は
日和見
(
ひよりみ
)
でいるがいい、
幸
(
さいわ
)
いに、
可児才蔵
(
かにさいぞう
)
どのも、これにあることだから、伊那丸がたがみじんになるまで、一
献
(
こん
)
酌
(
く
)
むといたそう
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日本政府の
日和見
(
ひよりみ
)
から出たケチくさい応急策などよりは、ずっと以前に熟慮もして書き始めたつもりである。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いまもって、ふんべつもつかず迷っていた者、
日和見
(
ひよりみ
)
でいた
輩
(
やから
)
、野伏、半農、そうした者は多かったらしい。みなサビ刀やボロ具足に、身なりの恰好をつけて
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ここでも、
日和見
(
ひよりみ
)
がつづいた。が、秀吉の催促、濃尾近界の戦雲の推移は、もうそれをゆるさなくなった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
上杉家の外交も、その二つを目標にしながら、しかも双方へ、
不即不離
(
つかずはなれず
)
の
日和見
(
ひよりみ
)
主義を取っています。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
同時に、地方武士から在国の間でも、これまでの
日和見
(
ひよりみ
)
主義や対岸の火災視はゆるされず、即座に
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「御当家の立場は、もはやいつまで、
日和見
(
ひよりみ
)
をゆるすものではありません。いまや毛利どのに組すか、羽柴どのと盟約あるか、二つに一つを選ばねばならぬときに迫っています」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
九代を通じての北条氏の恩顧をわすれたか、
日和見
(
ひよりみ
)
武士、忘恩の
徒
(
と
)
と、
唾
(
つば
)
して
罵
(
ののし
)
る。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日和見
(
ひよりみ
)
の秀秋の陣へ、誘い鉄砲が浴びせられた。——その時である。
大谷刑部
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
日和見
(
ひよりみ
)
者の打算、それなど、功というには当りますまい」
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
見
常用漢字
小1
部首:⾒
7画
“日和見”で始まる語句
日和見的