振込ふりこ)” の例文
そうして釣竿を右と左とはちの字のように振込ふりこんで、舟首みよし近く、甲板かっぱのさきの方にわたっているかんこの右の方へ右の竿、左の方へ左の竿をもたせ
幻談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なに女郎めらうの一ひきぐらゐ相手あひてにして三五らうなぐりたいことかつたけれど、萬燈まんどう振込ふりこんでりやあたゞかへれない、ほんの附景氣つけけいきつまらないことをしてのけた、りやあれが何處どこまでもるいさ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
うちればかならふでを取つて書いて好者すきものと、巌谷いはやからうはさの有つたその人で、はじめて社にとはれた時は紺羅紗こんらしや古羽織ふるばおり托鉢僧たくはつそうのやうな大笠おほがさかぶつて、六歩ろつぱうむやうな手付てつきをして振込ふりこんで来たのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)