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振子
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ふりこ
ふりがな文庫
“
振子
(
ふりこ
)” の例文
正面の奥深い片隅に洋酒を棚に並べた酒場があって、壁に大きな
振子
(
ふりこ
)
時計、その下に帳場があり、続いて硝子戸の内に電話機がある。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それは特殊
振子
(
ふりこ
)
の周期を測る方法に
依
(
よ
)
るので、地上での測定はよいとしても、海の上ではどうして測定すればよいかという問題が起きて来る。
地球の円い話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
夜
(
よる
)
は
煤竹
(
すゝだけ
)
の
臺
(
だい
)
を
着
(
つ
)
けた
洋燈
(
らんぷ
)
の
兩側
(
りやうがは
)
に、
長
(
なが
)
い
影
(
かげ
)
を
描
(
ゑが
)
いて
坐
(
すわ
)
つてゐた。
話
(
はなし
)
が
途切
(
とぎ
)
れた
時
(
とき
)
はひそりとして、
柱時計
(
はしらどけい
)
の
振子
(
ふりこ
)
の
音丈
(
おとだけ
)
が
聞
(
きこ
)
える
事
(
こと
)
も
稀
(
まれ
)
ではなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
古風な掛時計についているような巨大な
振子
(
ふりこ
)
を描いたのであろうと想像されるものを、持っていることであった。
落穴と振子
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
ぴかぴか光るしんちゅう板の
振子
(
ふりこ
)
があっちこっちに
揺
(
ゆ
)
れ動いて、コットン、コットンいっていました。
絵のない絵本:01 絵のない絵本
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
▼ もっと見る
その正面の青じろい時計はかっきり第二時を示しその
振子
(
ふりこ
)
は風もなくなり汽車もうごかずしずかなしずかな野原のなかにカチッカチッと正しく時を刻んで行くのでした。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
八角形になった
外枠
(
そとわく
)
の中に、アラビヤ数字で書かれた、丸い文字盤がある。
振子
(
ふりこ
)
は、金メッキされて居り、
透
(
す
)
かし彫りにした朝顔が、その肩のところに花を開いている。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
しかもまだ、教えられたとおり、大時計の歯車と
振子
(
ふりこ
)
のあるところまでつかないのであった。
時計屋敷の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
足をふみ
辷
(
すべ
)
らすと体は
振子
(
ふりこ
)
のように崖へ伸び、烈しく左右へ振り廻された。顔のうえ胸の中へ、土や小石がざらざらと崩れてくる。梅軒の
巨
(
おお
)
きな眼と、白刃が絶えずその上にあった。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、声だと思ったのは、時計の
振子
(
ふりこ
)
が暗い中に、秒を刻んでいる音らしかった。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼は
後向
(
うしろむ
)
きになって歩くのである。両腕を
振子
(
ふりこ
)
のように振って、拍子を取る。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
其の
悲哀
(
かなしみ
)
は時を打つ
振子
(
ふりこ
)
のやうに
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
それを先生は、まるで
嚢中
(
のうちゅう
)
に物を探るようにとり出して並べて行かれた。私は、その後も、あの時ほど自分の頭の
振子
(
ふりこ
)
が最大の振幅で動いた経験を持たない。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
梅
(
うめ
)
子が
涼
(
すゞ
)
しい
眼付
(
めつき
)
になつて風呂場から帰つた時、代助は
粽
(
ちまき
)
の
一
(
ひと
)
つを
振子
(
ふりこ
)
の様に
振
(
ふ
)
りながら、今度は
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
と云うのは、天井の両側に行儀よく並んでいる
吊皮
(
つりかわ
)
が、電車の動揺するのにつれて、皆
振子
(
ふりこ
)
のように揺れていますが、新蔵の前の吊皮だけは、始終じっと一つ所に、動かないでいるのです。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
※表題は底本では、「
落穴
(
おとしあな
)
と
振子
(
ふりこ
)
」となっています。
落穴と振子
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
休止した時計の
振子
(
ふりこ
)
は
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
両人は出直そうとしては出遅れ、出遅れては出直そうとして、柱時計の
振子
(
ふりこ
)
のようにこっち、あっちと迷い続けに迷うてくる。しまいには双方で双方を思い切りの
悪
(
わ
)
るい野郎だと
悪口
(
わるくち
)
が云いたくなる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
時計はその沈黙の中にも、休みない
振子
(
ふりこ
)
を鳴らしていた。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“振子”の意味
《名詞》
振り子のこと。
(出典:Wiktionary)
振
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“振子”で始まる語句
振子球