或家あるいへ)” の例文
先年蒲原郡の内或家あるいへにて井をほりしに、其夜医師いし来りて井を掘し㕝をきゝ、家にかへる時挑灯てうちんを井の中へ入れそのあかしにて井を見て立さりしに
先方さき足袋跣足たびはだしで、或家あるいへて、——ちつとほいが、これからところに、もりのあるなかかくれてつたきり一人ひとり身動みうごきも出來できないでるんです。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
外は星夜ほしづくよで風の無い静かな晩である。左へまがれば公園脇の電車道、銀之助は右に折れてお濠辺ほりばた通行ひとゞほりのない方を選んだ。ふと気が着いて自家じたくから二三丁先の或家あるいへ瓦斯燈がすとうで時計を見ると八時すぎである。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
裏通りを三四丁た所で、平岡がさきへ立つて或家あるいへ這入はいつた。座敷ざしきのき釣忍つりしのぶかゝつて、せまにはが水で一面にれてゐた。平岡は上衣うはぎいで、すぐ胡坐あぐらをかいた。代助は左程あついとも思はなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
或家あるいへではかう言はれました。
蛇いちご (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
先年蒲原郡の内或家あるいへにて井をほりしに、其夜医師いし来りて井を掘し㕝をきゝ、家にかへる時挑灯てうちんを井の中へ入れそのあかしにて井を見て立さりしに