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心〻
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こゝろ/\
ら
降たつ
後姿見送る
物はお
八重のみならず
優子も
部屋の
障子細目に
明けて
言はれぬ
心〻を三
郎一人すゞしげに
行々吟ずる
詩きゝたし
意味の
存する
處何方ぞや
茫として
闇きわか
葉のかげいとゞ
迷ひは
茂り
合ふばかり
晴るゝよし
無き
空の
月の
心〻に
判じて
見れど
何れ
眞意と
得ぞわき
難く
喜こぶべきか
歎くべきかお
八重はお
八重優子は
優子斯く
云はれなば
斯くせんの
决心互に
堅けれど
思ひの
外なる
返しには
何と
定めて
何とせん
未練は