後妻ごさい)” の例文
貧乏世帶びんばふじよたい後妻ごさいにでもならうといふものには實際じつさいろくものいといふのが一ぱん斷案だんあんであつた。他人ひとたゞかれこゝろ苛立いらだたせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
僕の記憶を信ずるとすれば、新聞は皆兄さんの自殺したのもこの後妻ごさいに来た奥さんに責任のあるように書いていました。
手紙 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「か、知らぬか、のう。二度添とはの、二度目の妻の事じゃ。男に取替えられた玩弄おもちゃ女子おなごじゃ。古い手に摘まれた、新しい花の事いの。後妻うわなりじゃ、後妻ごさいと申しますものじゃわいのう。」
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しか其麽そんなはなしをしてかせる人々ひと/″\勘次かんじひど貧乏びんばふなのと、二人ふたりるのとで到底たうてい後妻ごさいつかれないといふ見越みこしさきつて、心底しんそこから周旋しうせんようといふのではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
たゞひましがる勘次かんじ何處どこへでもくはかまてゝ釣込つりこまれるのでつひ惡戯いたづらにじらしてるのである。ことにおつぎがおほきくなればなるほどはたらきがてばほど後妻ごさいには居憎ゐにくところだとひとおもつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)