待設まちまう)” の例文
待設まちまうけたりと云ひつゝ兩人ずつと立上り左仲を中に取圍とりかこみサア懷中の金を置てゆけもし彼是かれこれいふ時は是非に及ばず荒療治あられうぢだぞと兩人左仲が手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
独語ひとりごとを言うて帰つて来た。そのお客は新聞記者だつたから、山県氏は待設まちまうけたやうに翌日あくるひの新聞をしこたま買込んで連絡船に乗込んだといふ。
あかるい燈火ともしびした三人さんにん待設まちまうけたかほはしたとき宗助そうすけなによりも病人びやうにん色澤いろつや回復くわいふくしてこといた。まへよりもかへつてくらゐえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
待設まちまうけたる獅子しゝ數頭すうとうは、電光石火でんくわうせきくわごとそのうへ飛掛とびかゝつた。
その感情生活はいふ迄もない事、その全生活において、須磨子は抱月氏の「死」の前で屹度見違へる程変つて来るだらうと、自分はそれを待設まちまうけてゐた。
軍曹は戦線へ出ると、案の定蘇格蘭スコツトランド兵と戦つて俘虜になつた。軍曹は将校の前へ引出されると、待設まちまうけてゐたやうに内ポケツトから、例の紹介状を出した。