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引掛
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ひっかか
ふりがな文庫
“
引掛
(
ひっかか
)” の例文
私の両親は食事しながら笑ったりお
饒
(
しゃ
)
べりなどすると、これ、あばらへ御飯が
引掛
(
ひっかか
)
りますといって
叱
(
しか
)
った事を私は今に覚えている。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
どうしたんだって聞くと、裏の
家
(
うち
)
へ背戸口から入った炭屋の
穿
(
はき
)
かえたのが、雪が解けて、
引掛
(
ひっかか
)
ったんじゃあない……乗ってるんだって——
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なにしろ一万数千トンもある巨船が、海抜五千米のヘルナー山頂へ
引掛
(
ひっかか
)
っていることをどう説明したらいいか、途方にくれたのは
当
(
あた
)
り
前
(
まえ
)
であった。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
心の中に、何か、ある、解けそうで解けないものが
引掛
(
ひっかか
)
っているような風である。
木乃伊
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
雑魚
(
ざこ
)
一
疋
(
ぴき
)
懸
(
かか
)
らない、万一や網でも損じてはいぬかと、調べてみたがそうでも無い、
只管
(
ひたすら
)
不思議に思って
水面
(
みなも
)
を
見詰
(
みつめ
)
ていると、何やら大きな魚がドサリと網へ
引掛
(
ひっかか
)
った、その
響
(
ひびき
)
は
却々
(
なかなか
)
尋常で
無
(
なか
)
った
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
▼ もっと見る
谷へ出た松の枝に、まるで、一軒家の背戸のその二人を
睨
(
にら
)
むよう、
濶
(
かっ
)
と
眼
(
まなこ
)
を
睜
(
みひら
)
いて、紫の緒で、
真面
(
まむき
)
に
引掛
(
ひっかか
)
っていたのです。……
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
盲目聾
(
めくらつんぼ
)
で気にはしないが、ちと商売人の端くれで、いささか心得のある
対手
(
あいて
)
だと、トンと一つ打たれただけで、もう声が
引掛
(
ひっかか
)
って、節が
不状
(
ぶざま
)
に
蹴躓
(
けつまず
)
く。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
持崩した身は、雨にたたかれた
藁
(
わら
)
のようになって、どこかの溝へ
引掛
(
ひっかか
)
り、くさり抜いた、しょびたれで、昼間は見っともなくて長屋
居廻
(
いまわり
)
へ顔も出せない。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この
大剪刀
(
おおばさみ
)
が、もし空の樹の枝へでも
引掛
(
ひっかか
)
っていたのだと、うっかり手にはしなかったろう。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引掛
(
ひっかか
)
りそうに
便
(
たより
)
なく
響
(
ひびき
)
が切れて
行
(
ゆ
)
く
光景
(
ありさま
)
なれば、のべの
蝴蝶
(
ちょうちょう
)
が飛びそうな
媚
(
なまめ
)
かしさは無く、荒廃したる不夜城の壁の崩れから、菜畠になった部屋が
露出
(
むきだ
)
しで、怪しげな
朧月
(
おぼろづき
)
めく。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一輪紅椿が
引掛
(
ひっかか
)
った——続いて三ツ四ツ、くるりと廻るうちに七ツ十ウ……たちまちくるくると緋色に
累
(
かさな
)
ると、直ぐ次の、また次の車へもおなじように
引搦
(
ひっからま
)
って、廻りながら累るのが
半島一奇抄
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
相合傘でいた私に
寄越
(
よこ
)
して「ちょっと骨が折れました、遠い
引掛
(
ひっかか
)
りなんですがね……
聾
(
つんぼ
)
で
中風症
(
よいよい
)
のお婆さんが一人留守をしているんだもの、驚きましたわ。」「驚いた。」と八さんが言うから
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……また何も、ここへ友達を
引張
(
ひっぱ
)
り出して、それに
託
(
かず
)
けるのは
卑怯
(
ひきょう
)
ですが、二月ばかり前でした。あなたなぞの前では、お話もいかがわしい悪場所の、それも獣の巣のような処へ
引掛
(
ひっかか
)
ったんです。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
仕丁 はあ、皆様、
奴凧
(
やっこだこ
)
が
引掛
(
ひっかか
)
るでござりましょうで。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ひょろりとして
引掛
(
ひっかか
)
ったね。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
“引掛”で始まる語句
引掛帯
引掛帶
引掛所