山口やまぐち)” の例文
翌十六日は一行の中の、石本いしもと所長と松沢まつざわ山口やまぐち両氏ならびに観測所主任の水上みなかみ氏と四人が浅間に登山したが、自分と坪井つぼい氏とは登らなかった。
柿の種 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
彼は近所の山口やまぐちという医師の薬局生であった。わたしと別に懇意でもないが、湯屋なじみで普通の挨拶だけはするのであった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
素人目しろうとめにも、こののぼり十五ちやう、五十六まがり十六けいまをして岩端いはばな山口やまぐち処々ところ/″\、いづれもかはる/″\、みづうみ景色けしきかはりますうちにも、こゝは一だんぞんじました。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
東海道から江戸へ入るには、是非ともさしかかる山口やまぐち高輪たかなわの浦あたり——、その辺に、必殺の策を伏せておいて、ばらしてしまおうという二人が大体の目算もくさん
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さだめし山口やまぐち百年ひやくねん不作ふさくだとでもひやうして、つまたるもの風上かざかみへもかれぬをんなはれましてしやう。
この子 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
開き見るに古金こきん許多そくばくあり兵助大いに喜び縁者えんじや又はしたしき者へも深くかくおきけるが如何して此事のもれたりけん隣家りんか山口やまぐち郎右衞門ろゑもんが或日原田兵助方へ來りやゝ時候の挨拶あいさつをはりて四方山よもやまはなしうつりし時六郎右衞門兵助にむかひて貴殿には先達せんだつて古金のいりかめ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
山口やまぐち惣右衞門
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)