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ねまきすがた
ふりがな文庫
“
寝衣姿
(
ねまきすがた
)” の例文
お君はその時に身のうちに
寒気
(
さむけ
)
を感じて、いつのまにか、恥かしい
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で、奥庭の池のほとりに立っている自分を見出しました。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「はい。お世話さま。」と返事をしたが、細帯もしめぬ
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
に女の立ちかねる様子を見て、男は
襖
(
ふすま
)
に手をかけながら
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「まあ大変おそく——。」婆さんの家で浅井の
旧
(
もと
)
から知っていたその細君は、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で出て来て門を開けた。そこにお増が笑いながら立っていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
この七月以来、殆ど、病間から外へ一歩も出た事のない太守が、不意に、白絹の
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
を
屹
(
きっ
)
と起たせたと思うと
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孝「そういたしますると、廊下を通る
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
は
慥
(
たしか
)
に源次郎と思い、繰出す槍先あやまたず、脇腹深く突き込みましたところ間違って主人を突いたのでございます」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
私は一二歩思はず身を
避
(
よ
)
けた。そしてそこに
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
の伯母を見た。私は首を垂れて立ち
疎
(
すく
)
んだ。
世の中へ
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
五十ばかりの女は
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のしどけなく、
真鍮
(
しんちゅう
)
の
手燭
(
てしょく
)
を
翳
(
かざ
)
して、覚めやらぬ眼を
睜
(
みひら
)
かんと
面
(
おもて
)
を
顰
(
ひそ
)
めつつ、よたよたと縁を伝いて来たりぬ。
死骸
(
しがい
)
に近づきて、それとも知らず
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
阿母
(
かあ
)
さんに度々起されて、しどけない
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で、
脛
(
はぎ
)
の露わになるのも気にせず、眠そうな
面
(
かお
)
をしてふらふらと部屋を出て来て、指の先で無理に眼を押開け、
眶
(
まぶち
)
の裏を赤く反して見せて
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
お銀は肉づいた足にべたつくような蚊を、平手で
敲
(
たた
)
きながら、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で蒲団のうえにいつまでも起き上っていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いつぞやのように
打掛
(
うちかけ
)
こそ着ていないけれども、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のままで、手には
妻紫
(
つまむらさき
)
の
扇子
(
せんす
)
を携えて、それで拍子を取って何か小音に口ずさんで歩いて行くと
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
細帯しどけなき
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
の女が、
懐紙
(
かいし
)
を口に
銜
(
くわえ
)
て、例の
艶
(
なまめ
)
かしい
立膝
(
たてひざ
)
ながらに手水鉢の柄杓から水を汲んで手先を洗っていると、その
傍
(
そば
)
に置いた
寝屋
(
ねや
)
の
雪洞
(
ぼんぼり
)
の光は
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
……今で言えば肺病でござりますが、其の頃は
癆症
(
ろうしょう
)
と申しました、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
で、
扱帯
(
しごき
)
を乳の
辺
(
あたり
)
まで固く締めて、縁先まで
立出
(
たちいで
)
ました途端、プーッと吹込む一陣の風に誘われて
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母親はわが子を励ますつもりで寒そうな
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のままながら、いつも長吉よりは早く起きて暖い
朝飯
(
あさめし
)
をばちゃんと用意して置く。長吉はその親切をすまないと感じながら
何分
(
なにぶん
)
にも眠くてならぬ。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「ですけど、私だって、そう気長に構えてもいられませんからね。」と
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のまま自分の
枕頭
(
まくらもと
)
に
蹲跪
(
つくば
)
って、煙管をポンポン敲いた。「あの人の体だって、出て来てからどうなるか解りゃしない。」
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
抜足
(
ぬきあし
)
をして廊下を忍び来る者は、
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
なれば、
慥
(
たしか
)
に源次郎に相違ないと、孝助は首を
差延
(
さしの
)
べ様子を窺うに、
行灯
(
あんどう
)
の明りがぼんやりと障子に映るのみにて薄暗く、はっきりそれとは見分けられねど
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
立っているのは
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
の女らしい。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
母親はわが子を
励
(
はげ
)
ますつもりで寒さうな
寝衣姿
(
ねまきすがた
)
のまゝながら、いつも
長吉
(
ちやうきち
)
よりは早く起きて
暖
(
あたゝか
)
い
朝飯
(
あさめし
)
をばちやんと用意して置く。
長吉
(
ちやうきち
)
は
其
(
そ
)
の親切をすまないと感じながら
何分
(
なにぶん
)
にも眠くてならぬ。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
衣
常用漢字
小4
部首:⾐
6画
姿
常用漢字
小6
部首:⼥
9画
“寝衣”で始まる語句
寝衣
寝衣包
寝衣帯