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嬌声
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きょうせい
ふりがな文庫
“
嬌声
(
きょうせい
)” の例文
旧字:
嬌聲
それに跳びつく彼女らの
嬌声
(
きょうせい
)
が——彼女らもまたこんなはしたない声が出せるのかと、そう驚くほど花やかに周囲にひびきわたった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
驚いたのは、そのだぼはぜ嬢、「
好
(
い
)
いのよ、好いのよ」と
嬌声
(
きょうせい
)
を発し、「あなた、とても好いわ」とぼくの肩に手を置いた事です。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
今日は親爺が親戚の法事に行きて留守といふを
幸
(
さいわい
)
頻
(
しきり
)
に新宿ののろけ最中、がらりと店の
硝子戸
(
ガラスど
)
引きあけざま、兄さんといふ
嬌声
(
きょうせい
)
。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
小さなきたならしい廃退的な酒場が、狭い間口でめじろおしに並び、あやしげなおしろいの女の、いやらしい
嬌声
(
きょうせい
)
があたりにあふれていた。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
公からの使を受けた時の夫子の欣びを目にしているだけに、
腸
(
はらわた
)
の
煮
(
に
)
え返る思いがするのだ。何事か
嬌声
(
きょうせい
)
を
弄
(
ろう
)
しながら南子が目の前を進んで行く。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
すると三人はすさまじい
嬌声
(
きょうせい
)
をあげ、おたつは側にいた女に抱きついたし、残った一人は私のほうへ水をはねとばしながら、先生の****とどなった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それがなんとも形容しがたいような
嬌声
(
きょうせい
)
を張りあげて、あっちからも、こっちからも金の胸にぶら下るのだ。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、大変な鼻息、
嬌声
(
きょうせい
)
を発して、縄目の身をもがく年増の美しさは一通りではありません。一筋縄で行きそうもないと見て、平次は早速
攻手
(
せめて
)
を変えてみました。
銭形平次捕物控:004 呪いの銀簪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私が道を降り切らぬうちに、二人とも曲り角で
混凝土
(
コンクリート
)
の側壁へ
這
(
は
)
い上がったのでしょう、やがて私にはわからぬ母国話で、
嬌声
(
きょうせい
)
を挙げながら、
縺
(
もつ
)
れ合って
小径
(
こみち
)
を上って来ました。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
おのぼりさんが
出会
(
でっくわ
)
した旅宿万年屋でござる。女中か、せいぜいで——いまはあるか、どうか知らぬ、二軒茶屋で豆府を切る姉さんぐらいにしか聞えない。
嫋音
(
じょうおん
)
、
嬌声
(
きょうせい
)
、真ならず。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
赤いふくれた指を窮屈そうに
鋏
(
はさみ
)
に入れて、地面に
堆高
(
うずたか
)
く積んだ枝豆を、味気なさそうなのろのろした手付でポツンポツンと切っていて、表から店の女たちの派手な
嬌声
(
きょうせい
)
が聞えてくるたびに
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
女の
嬌声
(
きょうせい
)
、赤ン坊の泣き声、さてはなつかしい大道芸人の音楽だの、古着屋、八百屋、旅人宿、うどん屋の婆アさんまで、かつての日の
渭水
(
いすい
)
の場末も思い出されて、どれもこれも悪くない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ことさらに
嬌声
(
きょうせい
)
をあげるしろい女らの笑い
原爆詩集
(新字新仮名)
/
峠三吉
(著)
耳もろうする奏楽、テープの発射音、
泥酔男
(
でいすいおとこ
)
の蛮声、女たちの
嬌声
(
きょうせい
)
の中に、ふと、異様なささやき声が、影男の殿村の耳たぶをくすぐった。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
すると三人はすさまじい
嬌声
(
きょうせい
)
をあげ、おたつは
側
(
そば
)
にいた女に抱きついたし、残った一人は私のほうへ水をはねとばしながら、先生の****とどなった。
青べか物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
闇を
劈
(
つんざ
)
く
嬌声
(
きょうせい
)
と共に、女は敷居際に
崩折
(
くずお
)
れます。
銭形平次捕物控:093 百物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
四半
刻
(
とき
)
ほど待つうちに、庭のほうで、はでな女の
嬌声
(
きょうせい
)
が聞えた。その部屋からは、中庭の端しか見えない。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
女たちが
嬌声
(
きょうせい
)
をあげた。保馬はしげしげといしを
眺
(
なが
)
め、それからゆっくりと云った。
いしが奢る
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
百
匁蝋燭
(
めろうそく
)
の燭台が輝き、
蒔絵
(
まきえ
)
の
膳部
(
ぜんぶ
)
が並び、役者や芸妓がとりもちに坐った、
眩
(
まば
)
ゆいほどの光と、華やかな色彩と、唄や鳴り物や
嬌声
(
きょうせい
)
が……この座敷いっぱいにくりひろげられたものだ。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
かよが
嬌声
(
きょうせい
)
をあげた。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“嬌声”の意味
《名詞》
女性の艶かしい声。
(出典:Wiktionary)
嬌
漢検1級
部首:⼥
15画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“嬌”で始まる語句
嬌態
嬌
嬌羞
嬌瞋
嬌笑
嬌名
嬌艶
嬌然
嬌嗔
嬌娜