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あまのじゃく
ふりがな文庫
“
天邪鬼
(
あまのじゃく
)” の例文
しかもそれが、蛾次郎であるとわかったので、かれはもうきょうこそこの
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
を、だんじて、生かしておくことではないぞと
怒
(
いか
)
った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「まあいゝ!
貴女
(
あなた
)
がそんなに馬鹿が好きなら連れて行くもよかろう。貴女のようなのは、
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
と云うのだ。あはゝゝゝゝ。」
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
今日に限ってよけいのことを言うのは
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
がのり移ったのだ! と米友が舌を捲いたにかかわらず、その辺に一向御推察のない道庵先生
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
あの愛すべき
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
には、しだいに黙示図の啓示を無視してゆく傾向がある。つまり、黒死館殺人事件根元の
教本
(
テキスト
)
さえ、玩弄してるんだぜ。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「君の誠実さは表現の外にあるさ。だが何も好んで途方もない表現を装うことはない。君の中にある
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
の気弱さがやはり顔を出すのだね」
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
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アマノジャクという醜い怪物は、今では
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
などと字に書いているが、九州の方へ行くとアマノシャグメという人が多い。
年中行事覚書
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そういう
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
な考えをするから
何時
(
いつ
)
まで
経
(
た
)
っても一人前の科学者になれないのだと言われれば、それまでの話である。
簪を挿した蛇
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「この
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
というのかな、こいつもこうやって千年も踏みつけられてきたのかとおもうと、ちょっと同情するなあ。」
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
私のような世間見ずの
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
に対しても終始寛容を以て臨んでくれた。そういう田中さんにはいわば人生の端役を以て任じている者の
雅懐
(
がかい
)
があった。
西隣塾記
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
前述のような数々の逸話は、翁一流の
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
の発露と解する人が在るかも知れぬが、そうばかりではないように思う。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
が人間の心の原始的な衝動の一つ——人の性格に命令する、分つことのできない本源的な性能もしくは感情の一つ——であるということを確信している。
黒猫
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
却ってそれをお
冠
(
かぶ
)
せのものにも受取られるのでしょう。それであんたは、不機嫌なんでしょう。
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
のあんたの事だから、きっとそうに違いありませんですわ
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
わたしの
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
のおもなる点がどんなところにあったか、諸君に想像がつくだろうか? そうだ、もっとも肝要なのは、——一ばんいまいましい話というのは、ほかでもない
地下生活者の手記
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
私は
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
だから、この頃のようにいろんな人が何ぞというと歴史的題材へかくれんぼするのがはやりになると、不十分にしかかけなくても「紙の小旗」を書きたくなるのよ。
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
人間の感覚器官のうち視聴の二覚ほど
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
な唯物論的な無拘束な自由主義者はない、例えば眼のことにしても、芝居などで
贔負
(
ひいき
)
役者のぎっくりきまる表情を見ようとするときとか
評釈勘忍記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
この自白衝動を極端な形にしてみせたものにポーの短篇「
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
」がある。この短篇は一般にやってはいけないことだからこそやってみたくなる奇妙な不可抗的衝動について説いている。
探偵小説の「謎」
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ところが
妾
(
わたし
)
は
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
で、無分別が恋の秘決なら、思慮熟慮で行きましょう」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
この男の守り本尊の
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
が、何処かを
擽
(
くす
)
ぐってでも居そうな顔でした。
銭形平次捕物控:236 夕立の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こういう
性質
(
たち
)
の不良なものでは、日本に
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
という名があり、西洋にはキリストの弟子のうちに、ユダという男がいた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
作らず、嘘でなく、じっさい僕が聴いた他人の告白なんて——よくよく
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
でないかぎり、いえた芸ではないと思う。
一週一夜物語
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
それを説明された一般の人は、特に
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
でない限りは、一層安心するのが
当前
(
あたりまえ
)
である。
地球の円い話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
橋本の家で貧血を起こして卒倒した時、僕の
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
は勝利の日が来たと叫んだ。
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
この男はやっぱり根が非常識なのであろうか、それとも
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
という奴かしら。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
穢らわしい
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
のために厚顔無恥なことをしでかすに相違ない。
地下生活者の手記
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
今宵はわけてもそういう
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
がこみあげている彼だった。元々彼の郷土の国は、八幡太郎義家このかた密接な関係を血にもひいている
藤原秀衡
(
ふじわらひでひら
)
一族によって固められているものだ。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それにこの研究所の使命であった航空気象学の問題も、もう我が国では用が無くなった今日、それを一つ育て上げてみようという
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
の篤志家も、今日の情勢ではまず求められない。
農業物理学夜話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「ふうむ——どこまで
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
なんだろう!」
二十歳のエチュード
(新字新仮名)
/
原口統三
(著)
その
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
な人心が大きく動いては、しばしば地上の大戦も呼ぶ。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
人民というものは、案外
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
なものである。
防寒戸
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
すぐにユダを
発揮
(
はっき
)
し、
天邪鬼
(
あまのじゃく
)
をまねる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“天邪鬼”の解説
天邪鬼(あまのじゃく、あまんじゃく)は、悪鬼神もしくは小鬼、また日本の妖怪の一種とされる。「河伯」、「海若」とも書く。
(出典:Wikipedia)
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
邪
常用漢字
中学
部首:⾢
8画
鬼
常用漢字
中学
部首:⿁
10画
“天”で始まる語句
天
天井
天鵞絨
天狗
天晴
天幕
天窓
天気
天地
天竺