“壓(おし)” の例文
新字:圧
宅(うち)では御米(およね)が宗助(そうすけ)に着(き)せる春(はる)の羽織(はおり)を漸(やうや)く縫(ぬ)ひ上(あ)げて、壓(おし)の代(かは)りに坐蒲團(ざぶとん)の下(した)へ入(い)れて、自分(じぶん)で其上(そのうへ)へ坐(すわ)つてゐる所(ところ)であつた。
門 (旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
同一の原因が相撞着する結果を生じて而も論理に戻らない。すべての色と其色合とが、器械の一壓(おし)で、紙に刷られて、生と名づける靈妙の畫を成すのである。
落葉 (旧字旧仮名) / レミ・ドゥ・グルモン(著)
それでも喬木(けうぼく)の梢(こずゑ)の上(うへ)に火(ひ)は壓迫(あつぱく)に苦(くるし)んで居(ゐ)るやうに稀(まれ)に立(た)ち騰(のぼ)つては又(また)壓(おし)つけられた。徒勞(むだ)である喞筒(ポンプ)へ群集(ぐんしふ)は水(みづ)を汲(く)むのに近所(きんじよ)の有(あら)ゆる井戸(ゐど)は皆(みな)釣瓶(つるべ)が屆(とゞ)かなくなつた。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
爲(させ)て置ながら又今となり逢(あひ)たいとは如何に欺(だま)すが商賣(しやうばい)でも餘りに壓(おし)が強過(つよすぎ)ると取ても付ぬ挨拶に吉六暫時(しばし)呆(あき)れしが夫は長庵が一存(ぞん)の惡功(わるだく)みせし事ならん小夜衣さんに限(かぎ)つては其樣(そん)な御人じや御座りません早速(さつそく)歸(かへ)つておいらんへ其御話しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)